心理臨床学会にて

先週末、仙台の東北大学にて日本心理臨床学会秋季大会が開催されました。そこで、「静岡こころのケア研究プロジェクト」のメンバーと、現在行っている認定協会の研究助成プロジェクトで得られた成果の一部を発表しました。「被災者支援に対する不安と、それを低減するための研修内容とは?」という内容です。。

まず、研究発表の一つは、被災者支援に関する不安について記述してもらった内容を、M-GTAを用いて解析し、モデルを作成しました。

その結果、18個の概念が生成され、次に見出された概念をカテゴリーに統合していき、7個のカテゴリーに統合されました。災害からの時間的な側面を重視し、上位カテゴリーに分類し横軸に<発災直後の不安><支援開始への不安><支援開始後の不安>、縦軸に<活動に関する不安><個人に関する不安>として配置したモデル図を作成しました。この成果を長島さんが発表しました。

次に被災者支援に関する関心や、活動の意欲についてを明らかにしました。その結果、活動への参加および関心は対象者の8割が持っていました。そして、被災者支援に関してにつけたいと考える研修内容については、PTSDやストレスマネージメントなどの臨床心理学的な基礎知識だけではなく、どこで、だれに、どのように活動すればいいのかなど、活動の枠組みや体制などについても理解したいという要望が多く挙げられました。このことから、臨床心理学的な知識だけではなく、行政の体制なども含めた活動体制や支援体制の解説なども行う必要があることが明らかになりました。

行政の心理職の方、兵庫県こころのケアセンターの明石先生も質問に来てください、いろいろと貴重なご意見を伺うことができました。そして、現在進めている静岡のプロジェクトが、県士会と行政が連動して活動を行う流れになっていることについて、高い評価を頂きました。これは私たちにとってとても励みになりました。また明石先生からは海外の資料などの情報も教えて頂き、今後の研究を進めていく上で大変助かりました。

学会発表が終了した後は、プロジェクトメンバーで仙台近郊の温泉旅館でゆっくりと反省会、今後の打ち合わせを兼ねたお疲れ様会をやりました(笑)

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