中越・中越沖地震に関する調査 その1

ご無沙汰しておりました。かなりバタバタとしており、UPすることがたくさんできるとなおさら書けなくなるというスパイラルに入っていました(苦笑)。

2008年に入り、すぐに中越地震と中越沖地震の学校や子どもへの影響に関する調査のため新潟県に入りました。

小千谷市内のある小学校と、中越地震当時小1年だった児童が卒業するまで、子どもの様子や学校体制の変化についての長期的な研究調査を行っています。大学の公開シンポジウムで協力を頂いたN先生と1年ぶりにお会いしました。校長先生からは危機状況に対応するための備えについてお話を伺いました。担任の先生方からは、中越沖地震後の子どもの様子の変化や学級での関わりについて気をつけている点などを教えていただきました。その後、N先生からは養護教諭の立場で子どもの心身の変化がどうであるかや、それに対応するためにどのような体制をとっているかについて詳しく伺うことができました。夜の部では、中越地域の養護教諭の有志の先生方が集まってください、おいしい中越の日本酒を飲みながら(!)、子どものケアに関する実情に関するそれぞれの学校の取り組みについて聞きました。先生方のお話を伺っていると、地震が発生して3年以上経ってもケアを要する子どもは0になっていないこと、中越沖地震の影響を再度受けて不安定になった子どもがいたことがわかりました。災害後のケアは10年以上の時間経過を踏まえて取り組んでいく必要があります。

また今回、新潟県教委の許可を頂き、学校が子どもの心身の変化を調査し、それを委員会がまとめ、SCを派遣するまでのフローチャートやそれに関する書類等を頂きました。中越地震の時と違って、中越沖地震はさらに使いやすくなっていました。2度の災害経験を生かした実践的な流れです。これは静岡でも生かしたいと思い、静岡に戻ってから静岡市教育委員会にその資料をお渡ししました。静岡でも東海地震に備えたケアの体制をさらに”現実的かつ具体的に”考えておかなければいけないと思っています。

さらに1月の調査では、柏崎市まで足を伸ばしました。柏崎は中越沖地震で被害の大きかった地域です。今回、中越地震で被災し、その後人事異動で柏崎に移り、そこで中越沖地震でも被災した先生方にお話を伺うためです。2005年に中越で調査をした際にお世話になったK先生、N先生と連絡を取り、さらにK先生の紹介でM先生にも協力していただきました。いずれの先生も「まさか自分が2回も大きな地震を体験するとは思わなかった」と口をそろえておっしゃっていました。中越地震での経験があったことによって、「何をどうすればよいかわかっていたのでいろいろなことで動けた」ということでした。

被災した先生方のお話を聞くたびに思うのが、日本の先生方はすごいということです。残念ですが不祥事を起こして問題となる先生もいらっしゃいますが、98%の先生方は学校や子どもたちのためにがんばっていると思います。特に災害時にご自分の家族や、先生自身が大変な状況にあるにもかかわらず、子どもたちを心配し、学校のために動いていた先生がなんと多いことか・・・。でもそうした先生方の思いやその活躍に目が向けられず、一部の不祥事に目が向けられ一方的な評価しかされないことがとても残念に思っています。こうした状況を研究者として指摘するために、災害時の先生方の状況に関する論文を学会誌に投稿している最中です。災害時の先生方へのサポートについてももっと議論されるべきだと考えています。

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