サポートグループの立ち上げ

静岡県内に移住してこられた子どもたちや保護者の皆様に、少しでもほっとできる場所を作り、静岡での生活をサポートさせて頂きたいと考え、県内に引っ越してきた子どもたちや保護者の皆様を集めたグループ活動をはじめることに致しました。

 お子様は、静岡大学の学生たちとレクレーションをはじめとする様々な活動を行います。その時間に、保護者の皆様は保護者同士でのんびりとした時間をお過ごしいただけたらと思います。各グループには、こころのケアを専門とする臨床心理士もおります。東北地方から引っ越ししてきた方々同士、横のネットワークを作りながら、子どもも保護者の皆様も、気軽にほっとした時間を過ごしてみませんか?皆様のご参加をお待ちしております。

日時:月1回、週末に行います。この後の予定
     第1回 2011年 5月15日(日) 13~15 時
     第2回 2011年 6月19日(日) 13~15 時
     第3回 2011年 7月10日(日) 13~15 時

集合場所:静岡大学教育学部附属教育実践総合センター3

http://www.shizuoka.ac.jp/access/map_shizuoka.html

  

  住所:静岡市駿河区大谷836

  交通機関:JR静岡駅北口バスターミナル6番乗場から「静岡大学」又は「東大谷」行きに乗車し、「静大前」又は「片山」下車(所要時間25分、1時間に57本運行)

内容:子どもグループと、保護者グループに分かれてそれぞれ活動を行います。子どもグループの内容は、別紙のちらしをご覧ください。

参加費:300円(保険代他)

申し込み方法 

    お子様の名前・学年、②保護者様のお名前、③住所、④電話番号、⑤メールアドレス

申し込みはできるだけ、MAILもしくはFAXにてお願いします。

メール:ananasu.fujinet@gmail.com

電話・FAX:静岡大学こころの相談室 054-238-4954(火曜~金曜PMのみ)

主催:静岡大学教育学部・人文学部

共催:静岡県臨床心理士会

後援:静岡県教育委員会・静岡市教育委員会・浜松市教育委員会

災害後のこころのケア研修会の開催

静岡県内臨床心理士を対象とした「災害後のこころのケア研修会」を開催します。

ぜひ被災者の力になりたいと思うのだけれど、何をしたらいいのかわからないし、かえって傷つけてしまうのが心配・・・という臨床心理士を対象に、被災者支援の実践力を身につけるための研修会を開催します。ふるってご参加ください。

平成23年4月24日10~16時

場所:静岡大学教育学部L棟(教育実践総合センター)3階

http://www.shizuoka.ac.jp/access/map_shizuoka.html

内容:

・災害後の心身の反応

・集団への心理教育のスキル

・ストレスマネージメントとリラクセーションの知識とスキル(実習含む)

定員70名(先着順 定員になり次第お断りさせていただく場合があります)

参加費:2000円(余剰金は、県士会の支援活動の資金に充てる予定です)

申込方法:4月20日(水)までに、

郵便振替口座記号番号:00830-6-117648 加入者名「静岡県臨床心理士会」 

通信欄に

①4月24日研修会参加費 

②所属名 

③臨床心理士番号 

④〒、住所、氏名、電話番号(必須) 

*参加費の振り込みを持って参加申し込みとなります。なお定員超過等でご参加加いただけない場合のみご連絡を差し上げるため、必須としてください。

・本会が作成した「災害後のこころのケアハンドブック」をお持ちの方は、当日ご持参下さい

・当日周辺に飲食できる場所がありませんのでお弁当等をご持参ください。

連絡先 「静岡県臨床心理士会 被災者支援本部」

fujinet7(@を入れてください)gmail.com *お問い合せはMAILにてお願いします

こころのケアの資料(保育園・幼稚園の保護者向け)

たくさんのコメントと、びっくりするくらいの多くのアクセスありがとうございました。

日本のいろいろなところで、ハンドブックが活用されているのかな~と思うとうれしくなります。

このハンドブックを用いて、保育園・幼稚園の保護者向けの資料を、静岡市スクールカウンセラーのYさんが作成して下さいました。

わかりやすく、子どもたちが塗り絵をできるような心配りもされています。

どうぞ使ってみて下さい

「こころの健康通信」保育園・幼稚園の保護者向け

「YOUJI.pdf」をダウンロード

こころのケアハンドブック(支援に使って下さい!)

今年度、保健師やカウンセラーの方が使えるようにと、「学校現場・養護教諭のための災害後のこころのケアハンドブック」を一部改訂し、「支援者のための災害後のこころのケアハンドブック」を作成しました。

それを、PDFにてUP致しますので、支援活動に役立てて下さい!

自由にダウンロードして、どんどんお使い下さい。

【通常版】支援者のためのこころのケアハンドブック
https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=explorer&chrome=true&srcid=1Vqny7WLEHSgA4giXAUsjWoj5Zmu2lccWqkeFpm_EGE-PvyxxY0bBN5fPtY5W&hl=ja

【軽量版】支援者のためのこころのケアハンドブック
https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=explorer&chrome=true&srcid=14OHp1RcO1l3UmP2BWxhuIuQ3CFzvsyxHrC0WtIsx2Ni9XmKRZOCGExXMGxfK&hl=ja

ただ、著作権は静岡大学にありますので、内容はそのままで著者の名前を変えて出版したり、書籍に無断転載するようなことはおやめ下さい(そのような方はいないと信じています!)

コピー、ダウンロードはOKです。

ぜひしんどい思いをされている被災された方々のためにお役立て下さい!

これ以上、うれしいことはありません。

このハンドブックは私のこだわりがあります。これはデータですが、現物はB5サイズでコンパクト、そして雨に濡れても使えるよう撥水性のある紙で作られています。

このハンドブックを出版して広く知ってもらいたいといくつかの出版社に相談しました。というのも、東海地震に備え、支援活動の資金を基金として貯めておく必要があります。募金などもありますが、常々、他にもっとよい案はないかと考えていました。そこで、このハンドブックを出版して、その印税を基金に充てれば、様々な方々に知識を広め、かつ支援活動に充てられる、「循環した活動」ができるのではと・・・。

でもコンパクトゆえに背表紙がなく、かつ紙が特殊なのでコストが高いとの理由で出版できませんでした。

でも、今こそ役立ててもらう機会だと、共に作成に関わったメンバーと意見が一致し、データを公開し広く使って頂くことにしました。

なので、被災地の支援者の皆様、その方々と個人的に連絡がついている皆様、このハンドブックをお使い下さい!

そして、一段落したらで結構ですので、ハンドブックを使ってどうだったかをちょこっと教えていただけたら、メンバー一同、とてもうれしいです。

先ほど、静岡県東部に震度6強の強い揺れが来ました。今にも東海地震が来るのではないかという不安を抱えながらも、この記事だけはUPしなければという思いで、これを書いています。

とにかく早く、みんながほっと安心して暮らせますように!

資料の修正版

昨日、UPした「こころの健康通信」ですが、日付が間違っておりました。

日付を修正した修正版をUP致しますので、ご利用下さい。

基本的というか、初歩的なミスをしてすみませんでした。

なんか、冷静なつもりでも、どこか自分の中で落ち着かない気持ちがあるんだなと、実感しました。

「こころの健康通信(修正版)」

「kokoro_syuusei.pdf」をダウンロード

心のケアの資料提供

東北地方で発生した地震により大きな被害が出ています。

まだ救助されていない方々が一刻も早く救助されることを心から祈っています。

そして避難された方々に、食料や水、暖をとれる機材が届き、少しでもほっとできるような状況になることを祈っています。

ただただ、祈ることしかできない自分の状況に歯がゆさを感じています。

でもまずは、今、自分にできることをやろうと思っています。

まずは静岡県で。

今回の地震は、静岡県の子どもたちが体験した地震は、震度4程度ですので、そんなに大きくはありませんでした。

ただ、テレビの映像で甚大な被害がでており、その映像を目の当たりにしたりて不安になっている生徒も多いと思います。
さらに震源が東北だけではなく、長野県の方でも揺れていて、「次は静岡ではないか」という漠然とした不安が強くなっていると思います。
「眠れない」「一人でいるのがいや」といった反応がでてくると思います。

静岡に地震が起きていな今の状況のままで、今週先生方がやるべきこととしては、

静岡県内すべての養護教諭に配布してある「学校現場・養護教諭のためのこころのケアハンドブック」を使って、保健だよりの制作をして、生徒や保護者への啓発を図って欲しいと思います。

また念のため、養護教諭の先生方は、医薬品など校内の備品の管理はしておいた方がよいかと思います。

揺れがあった時に、私はSCで中学校でカウンセリングをしていたのですが、過呼吸になったり、一人で帰れなくなった生徒が出ました。
早速、ハンドブックを使って「こころの健康通信」を作って、月曜日に学校で配布してもらえるようにしてきました。

その資料を、このブログを見た方々にも使って頂けるようにUPしました。どうぞ遠慮なく使って下さい。関東周辺の学校の先生方もぜひご使用ください。

こころの健康通信(pdfファイル)

「kokoro.pdf」をダウンロード

災害時の心のケアに関する協定締結!

ここ1年近く、多くの方の協力やサポートを頂きながら進めてきたプロジェクトの一つが、大きな形になりました。

静岡県との「災害時の心のケアに関する協定」の締結です。

10月13日に静岡県庁にて、協定締結式が行われました。

多くのマスコミも取材に来てくれ、テレビや新聞などで取り上げて下さいました。臨床心理士会がこうした協定を締結することは、日本初になると思います。

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(静岡新聞に掲載の記事↓)
http://www.shizushin.com/news/feature/jishin/news/20101014000000000017.htm

(毎日新聞に掲載の記事↓)http://mainichi.jp/area/shizuoka/archive/news/20101015ddlk22040185000c.html

(中日新聞に掲載の記事↓)http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20101014/CK2010101402000139.html

(産経新聞に掲載の記事↓)http://sankei.jp.msn.com/region/chubu/shizuoka/101014/szk1010140354003-n1.htm

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大規模災害時には、県からの要請を受けて臨床心理士がやる業務について、県と何度も協議を重ね、行政と民間の力がかぶらず、広い地域で多くの県民に心理的な支援が行き渡るようにしました。

協定に基づく臨床心理士の活動内容は、被災者への直接的な支援ではなく、直接支援をすることになっている「保健師」へのサポートになります。

県が準備した活動手引きによると・・・

1.保健師等が被災者に対して行う心のケアに関する専門的な技術支援、研修会等の実施

避難所等において活動する保健師等に対し、災害時の心のケアを実施する際の、専門的な技術支援をお願いします。なお、継続的な個別の支援は、活動の対象外ですが、ストレス反応が強く、緊急を要する場合は、保健師等に同行して、避難住民への心のケアのサポートをお願いします平常時には、保健師等に対し、災害時の心のケア対策の必要性及びストレスへの対処方法等についての普及啓発に協力をお願いします。

2.保健師等に対する心のケア支援

悲惨な被災現場や遺体処理等の現場での長期にわたる救援活動は、対応する保健師等に強い心理的衝撃が残り、不眠、侵入症状等の強いストレス反応が現れてくることが予想されますので、当該保健師等への心のケアに対する支援をお願いします。

これらの活動を県内臨床心理士、そして必要に応じて県外の臨床心理士にも協力を要請して、活動を行っていくことになります。

今後は、県士会内の体制作りとして、県内エリアをいくつかのブロックに分け担当者を決めていくことや、臨床心理士用の活動マニュアルの作成などを進めていきます。

また、日本臨床心理士会にもこの協定について報告し、大規模災害発生時には全国の臨床心理士に声をかけて下さるようお願いしていく予定です。

ようやく・・・という感じですが、まだまだこれからという感じでもあります。

とにかく、まずは協定締結に至るまでに本当に多くの方々の協力なしにはありえなかったので、心から皆様に感謝!です。

SST「自尊心を高める」の授業実践

T中でのSSTの授業が今月に入り、連続してありました。

スクールワイドでのSST実践を行ったのが2年前。2年前は大学が用意した指導案を先生方が実践するスタイルをとりましたが、それ以降は先生方の主体的な取り組みを尊重するという次のステップに移行し、昨年度からは先生方が指導案を作成して、それを実践するという流れになっています。私はSCとして学校に行った時に、面接が終わり夕方からの先生方との打ち合わせの時に、S先生が「指導案を作ったんで見て下さいよ~」と、学年部会で話し合った指導案を持ってきてください、ちょこっとコメントするくらいのお手伝いしか必要ありませんでした。

なんやかんやと3年目。3年生にとっては、3年間SSTを通してやったことになります。今年の単元の大テーマは、「敬意を払うスキルを身につけよう!」です。道徳の時間を使っているため、SSTと道徳の授業展開がブレンドされたような感じで、3回の授業に分けて行っていました。

1回目の授業は、話し合いを通して「相手の気持ちを考える」という内容でした。教師の投げかけは、「人はどんなときに、相手のことをすごいなと感心した気持ちを持つのだろうか」、「人はどんなことで悪口を言い、お互いにからかうのか」ということを、グループで話し合い、相手の考えを聴き、自分の考えを伝えることをやりました。これは「10代を育てるためのソーシャルスキル教育」で「セッション8 敬意を払うスキル」の授業案の中にあるリハーサル部分になります(P139)。「相手の気持ちを考える」というテーマから考えると、このなげかけを最初の授業に持ってきて、自分の行動などを見詰めなおさせるところからスタートしています。

2回目の授業が、「自尊心を高める」です。私はこの授業は見学することができました。この指導案は、拙著のP130のセッション7に基づいています。

授業の冒頭で、

S先生:「自尊心とは、自分を尊敬する心だけど、みんなどうかな?」

Aさん:「ないよー」

Aさんは、すっと、しかも真面目にS先生のなげかけに応えていました。Aさんの日常生活を思うと、意外なことばではなく、そういう生きにくさがあるんだとこちらも素直に理解できることばでした。

S先生から、自尊心には、自尊心を高めてくれる”肯定的な面”と、自尊心を低める”否定的な面”があるという説明がありました。

次に、自尊心について説明をしたあと、S先生は教師の語りとモデリングを兼ねた”自尊心についての教師の語り”があります。S先生は、趣味のバルーンバレーの試合で、メンバーと一緒に頑張って試合をしている様子をビデオで見せながら、頑張って仲間をプレイすることや、仲間にありがとう!と言われることなどが自分の自尊心を高めてくれることを生徒たちに話していました。S先生のビデオを見ながら、生徒はいろいろとつっこみを入れていたりしていましたが(笑)、みんな食い入るように画面を見ていました。

そして、”自分のいいところを探そう”ということでワークシートに沿って、「自分自身がどんなことで自尊心が高まるのか、友だちは自分のことをどのように感じているか(理由)」について記入していきます。自分のいいところを友だちに話し、感想を聴くこともしていきました。

生徒たちの様子を見て感じたのは、いいところが探せない、もしくは記入することがためらわれる生徒がいることです。ためらわれる生徒の場合には、話をしながらやりとりしていくと結構書いていけるのですが、見つけられない・わからないという生徒の場合には、丁寧なかかわりが必要だと思いました。ワークシートに書けないでいたある生徒さんと話をしていくと、大好きなワンちゃんがいること、そのこのお世話をしていることなどが話されました。

kobayashi:「わんちゃんがうれしそうに尻尾をふるとどんな気持ちになる?」

生徒:「うん、うれしいよ」

kobayashi:「それは自尊心を高めてくれることになるかな?」

といったやりとりなどをしたりしました。

最後のまとめの感想では、「なるほど」と思うような感想もあり、いつものことですがSSTの授業をやった後、子どもたちの反応の豊かさに驚かされます。これがある意味たまりません(笑)

次は、「敬意を払う」について書きたいと思います。