研究を振り返る

無事に、カウンセリング学会の受賞講演が終わりました。始まるまではどきどきでしたが、雰囲気が自主シンポジウムのようで、温かい雰囲気でしたので、とても話しやすかったです。聞きに来てくれた五十嵐先生は、「緊張していたけど、だんだんいつものペースで話していた笑」とコメントしてくださいました。

静岡県臨床心理士会でお世話になっている藁科先生や、静岡県の先生方も聞きに来て下さいました。ありがとうございました。

今回の講演をまとめるにあたり、自分のこれまでの実践や研究をもう一度体系的に捉えなおして、今後どういった方向性に進めていくかを、まとめるよい機会になりました。Cimg1922_4  

私の研究・実践において、まず状況に応じた3つの柱があります。

スクールカウンセラーとして活動する、いわゆる「日常のスクールカウンセリング」です。子ども、保護者の相談です。

これに「予防」の視点から、「心理教育プログラム」に関する研究および実践があります。このブログでも何度も報告していますが、SSTやVLFプログラムなどです。対処ではなく、予防をどうするのかということです。

そして、学校では、残念なことですが、子どもが巻き込まれる犯罪、そして自殺などが起こることも珍しくなくなってきてしまいました。そして、災害なども日本に住んでいればいつどこで起こるかわかりません。こうした「危機発生時の心のケア」に関しても、学校カウンセリングの研究や実践では重要だと考えて、これまでに行ってきました。

この3つの柱について、「教師へのコンサルテーション」をそれぞれどう進めていくか、という研究の視点が入ってきます。今、実施しているSSTも、子どもだけ見るのではなく、TAや先生方にどのようにフィードバックしていくとよいかというコンサルテーションに視点からも、いろいろと工夫をしています。

こうした点を全部ひっくるめて、「包括的な学校カウンセリング」ということで講演させていただきました。このスライドを作っていく作業で、すごく自分のポジションが明確になった感じです。今後は、「心理教育プログラム」「危機介入」、そしてこの点に関する「教師へのコンサルテーション」を中心に、しばらく研究・実践をしていこうと思っています。

SST Session1終了

金曜日に無事にセッション1が終了・・・

3時間目に全クラス一斉に授業がスタート。

私は全クラスの授業の様子を廊下からのぞかせてもらった。

先生によって授業の雰囲気がかなり違う。セルマン先生が、昨年のAMEで学級の雰囲気を重視した内容の発表をしていたのもよくわかる。この点についても、今後研究してみたい点だ。

指導案や教材に関する変更点もいくつか見えた。先生方によって意見や感想も違ったりして面白い。「なるほど・・・」と思う指摘も多く頂いた。

午後には、相談室&保健室登校の生徒を集めてSSTを実施した。授業者は私・・・。カウンセリングしている生徒が多かったので、リラックスできた反面、彼らの前である意味「先生」として前に立つことにちょっと葛藤した。最初から学生TAに授業者をやってもらうことも考えたけれど、彼らも少し緊張するだろうと思った。なので、普段接している私が最初に授業者をやって、彼らがSSTの雰囲気に慣れてきたら学生TAに代わってもらうのもよいかと考えている。いつもと違った彼らの一面が見れて、私も楽しかったし、子どもたちの理解が別な視点から少し深まった気がした。しばらく、こうした取り組みが一対一の面接プロセスにどう影響するのかも注意深く感じ取ろうと思っている。

夕方、永山君と望月さんと次のセッションの準備をしながら、いろいろと話をした。TAの学生たちも学びの多かった1日だったよう。

公開研究授業を入れるとあと7日・・・

長い?短い?

すべてが終わった時に、学生たちとすごい達成感が味わえそう。

ソーシャルスキルトレーニングの実施に向けて

共同研究をさせていただいている法政大学の渡辺弥生先生から、ご著書「11歳の身の上相談」(講談社)を頂きました。 いつも思うのですが、先生の本はとても具体的で、しかもわかりやすいです。Image006子育てしているお母さん向けに作った本なので、マンガも入っていて、難しい心理学の知識をとてもわかりやすく解説しています。思春期のお子さんを持つお母さんたちだけでなく、学校の先生や学生の方にもお勧めです!渡辺先生が書かれるようなよい本を自分も作れるようになりたいな~といつもしみじみ思います。

現在コバ研では、その渡辺先生との共同研究として、ソーシャルスキルトレーニングの中学校での実践に向けて、バタバタしています。予定しているのは、ソーシャルスキルトレーニングの中の一つのプログラムであるSS.GRIN(Social Skill Group Intervention)というプログラムです。SS.GRINは、ノースキャロライナ大学のDeRosire博士のチームが研究、実践しているプログラムで、社会的学習理論および認知行動理論の視点や技法を結びつけた方法です。

そのプログラムが目指す目標は、子どもたちの

①認知的・行動的なソーシャルスキルの基本を育てる

②向社会的な態度や行動の強化

③いじめなどの問題に対処する適切なコーピング・スキルを促進する

とされています。このプログラムは、対人関係や怒り、自尊心、敬意といった感情の認知的側面を強調するところが特徴です(渡辺,2008)。日本では、渡辺先生の研究室が千葉県と静岡県の公立高校で実践しています。コバ研も静岡県の高校での実践のお手伝いをさせてもらっています。そしていよいよコバ研が中心となって、このプログラムを中学校で行うことになりました。日本の中学校での実践はこれが初めてとなります。

これまで実施した高校の指導案をベースとしていますが、高校生用を中学生用に修正するのは、思ったよりも簡単ではありませんでした。教材も、学校の先生ではなく、すべて大学の方で準備をするため、何度も時間をとり、時間に追われるようにコバ研総動員で準備に大わらわ・・・。コバ研だけでなく、他専攻でも、このプログラムに興味のある学生さんも手伝ってくれています。Image004 (写真は、準備に熱が入るコバ研一同)

本当に、本当に、大変な作業ですが、生徒の笑顔が見られればきっと苦労なんて吹っ飛ぶんだろうな~このプログラムは11月から2月まで実施します。

がんばるぞ!

ボストンにて

ただいまボストンにいます。

とても涼しくて、日本の11月のような陽気です。暑い暑い日本から来たので、とても快適で、夜は寒すぎるくらいです。

昨日は、ハーバード大学に行き、渡辺先生が在外研究でハーバードに行かれていたときにお子さんを預けていた保育園を見学させていただきました。少人数の上、しかも保育士が多い!日本の幼稚園・保育園と環境が全然違いました。Cimg1731

夜は、日本チームの吉先生と、蘇州大学の陶先生から最近の綿竹の様子を教えてもらいました。アメリカにいても、被災地で出会った子どもたちのことを思い出し、「どうしているかな」と思いをはせています。オリンピックが終わったら、今後、どのような支援となるのかはっきりすることでしょう。

来年のAPAはトロント。災害もしくはコンサルテーションで発表することを目標にがんばろうと思っています(←宣言してしまった!・・・笑)。Cimg1733

アメリカへ

今日から18日までアメリカのボストンに行ってきます。

そこで、APA(アメリカ心理学会)に参加してきます。

APAでは、SST・VLF、そして災害・事件事故のケアを中心に発表などを聞き、新しい知見を取り入れてきます。

今回の様子を見て、いつか発表することも目標に(笑)。

MAILのお返事が遅くなると思いますが、どうぞご容赦ください。

静岡大学公開講座

8月に静岡大学公開講座として以下の講座を担当することになりました。

リスクマネージメントもご専門の村越先生が、教育活動に伴うリスクの実態とそれをどう低減するかという点についてお話します。

その後、私は災害、そして事件事故など学校において危機的な状況が発生してしまった場合の子どもたちの心のケアについてお話しさせていただきます。
最後に村越先生と小林が入り、参加者も交えてトークをしようかと話をしています。

つきましては、こうした学校危機の対応に興味のある教育関係者の方の参加をお待ちしております。定員が30名となっておりますので、なるべく早く教育学部実践センターまでお申し込み下さい。

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講座名:学校での危機管理:リスクマネージメントから心のケアまで

日時:8月19日(火)9:00~17:00

場所:静岡市産学交流センター(B-nest)→新静岡の近くです

目的:本講座では、現代の学校運営の中で重要な課題となっている教育現場での危機についてのリスクマネージメントを扱う。とりわけ教育活動に内在する危険をどうコントロールしそのリスクを減らすかと、不幸にして事故・事件が発生した後の心のケアを中心に演習等を交えて行う。

講師:村越真(静岡大学教育学部・教授) 小林朋子(静岡大学教育学部・准教授・臨床心理士)

定員:30名

受講費:1,800円(資料代含む)

申込方法: 以下の申込書をダウンロードして教育実践総合センター事務室までFAX(054-238-1071)、もしくは実践センターHP(http: //certd.ed.shizuoka.ac.jp:8080/certd)にあるメールアドレスよりお申し込み下さい。

申込フォーム→

「moushikomi.doc」をダウンロード

学位記授与式

今日は、筑波大学より博士(教育学)を頂けることになったので学位記授与式に出席してきました。論文博士として、学位論文「子ども支援のための教師へのコンサルテーションに関する研究-効果的なコンサルテーションスキルの観点から-」を、筑波大学の先生方に審査していただき、晴れて博士号を頂けることになりました。学位記授与式にはコバ研を巣立って、現在筑波大大学院にいる上田さんも駆けつけてくれて、私をイメージしたというオレンジ色のお花のブーケをプレゼントしてくれました。コバ研OBにも祝ってもらって、とてもとてもうれしかったです(泣)。080325_1310 080325_1924

学位論文の内容は、スクールカウンセラー(SC)・相談員や特別支援の巡回相談などの立場の人(コンサルタント)が、子どもに日常関わる担任の先生(コンサルティ)などを支援する「コンサルテーション」に焦点をあてています。支援を提供する側のコンサルタントが、支援を受ける側である担任の先生にどのように支援したらよいかについて、コンサルテーションの各ステップごとに明らかにしました。この学位論文のデータの中で、まだ学会誌に投稿していないデータは順次、論文投稿していきます。また、一般書としての出版も計画している段階です。私が大切にしている「研究成果を現場に還元し、役立てる」を来年度は丁寧にやっていこうと考えています。またコンサルテーションに興味のある人たちで研究会や学会でのシンポジウムが企画も考えているところです(このブログを読んで、コンサルテーションに興味のある(持った)方は、私までご連絡くださるととてもうれしいです)。

今年度は仕事をしながらの学位論文の最終執筆に取りかかっていたので、とってもきつかった1年でした。大学の方も教員スタッフが休職等で少なかったため、静大に移ってから一番多い授業数になり、かつ大学運営上の細々した仕事をこなしました。テーマに関連しているSCはどうしても辞めたくなかったので、がんばって両立させていきました。そんなこともあって執筆にかける時間をどう捻出するかが大変で、今年度は(も?!)コバ研の学生スタッフにはずいぶんと迷惑をかけてしまったと、とても反省しています。本当にいろいろな方々の支援、協力のお陰で無事に博士号を取得することができました。ブログ上からではありますが、この場をお借りして心より御礼申し上げます。

そして、これまで同様に、学校現場の子どもたちの支援に結びつく研究、そして実践を進めていきます。

中越調査 その2

1月に引き続き、2月にはコバ研学生スタッフと一緒に十日町市のH小学校に行きました。このH小学校は中越地震発生後すぐにボランティアとして行った際に、たまたまご縁があった学校です。こうしてそのご縁から継続調査のご協力をして頂いています。

ぽかぽか陽気の静岡を出発し、新潟に抜けるトンネルを出るとそこは雪国・・・。学生スタッフのKさんはちゃきちゃきの静岡生まれで、これまでにスキーにも行ったことがなかったので、一面銀世界の景色に異常なテンションになりました。200821921_002 200821921_001

駅に着くと校長先生がお出迎えをして下さい、十日町市の様子を見せていただきながら学校に向かいました。学校の回りは雪の壁・・・。さっきまで菜の花が咲いていた静岡から来ると日本は広いんだな~としみじみ思いました。

給食を頂いた後、昼休みには全校児童との対面式?なるものも設けてください、その後の昼休みは子どもたちとたくさん遊ぶことができました。私は1年生の子どもたちとずっと「はないちもんめ」をして遊びました。

その後、H小学校の先生方のご好意で、学生たちは雪下ろし体験、校庭でのスキー体験、スノーモービル体験をさせて頂きました。その間、私はインタビュー面接です(途中で少し私も体験させてもらいましたが・・・笑)。中越沖地震が起きた去年・・・中越地震から3年が経ち、「もう地震はないだろう」と地震のことすら忘れかけていたところに再度の大きな地震がありました。先生方の中にも、中越地震の時を思い出し、パニックになった、涙が出てきた等フラッシュバックに近い症状が見られていました。子どもたちや保護者の中にも心身ともに不安定な症状が見られたそうです。安心していたところに再度の大きな地震は、中越地震の時の1回目の影響よりも大きな影響を与えたのではないかと思います。「安心しきれない」という感覚でしょうか・・・。災害後のケアは地震直後だけではなく、長期的かつ継続的に支援していく必要性があると感じました。

2日目は学校やPTAのご好意で3,4年生のスキー教室にご一緒させてもらいました。その日は雲ひとつない快晴!ふわふわの雪と真っ青な空で最高のスキー日和でした。初心者の学生たちと先生方やPTAの方が親切に指導してくださいました。本当にありがとうございました。200821921_014 200821921_003 夜にはH小学校の先生方との懇親会があり、先生方そしてコバ研スタッフの一発芸まで飛び出し、大いに盛り上がりました。懇親会が終わった頃に、コバ研OBのYさんが新潟から駆けつけてくれてYさんを入れてホテルで2次会をしました。

3日目は、私が4年生対象にソーシャルスキルトレーニングの授業をやりました。内容は、「上手な断り方」です。朝からホテルで学生スタッフはモデリングの最終確認です。学生たちも自分のノンバーバルなくせを指摘されて、「え~!!」とそれを意識して修正するのに四苦八苦していました。こうした授業作りに学生が参加することそのものが、学生のソーシャルスキルの向上につながっていると感じています。学生が丁寧にモデリングやロールプレイの難しさを体験し感じることは、子どもたちを相手に授業をする時にとても活きます。ここらへんを教官がどう指導していくかがとても重要だと考えています。授業終了後はばたばたと事後研修会をやり(他の学校から参加してくださった先生方ありがとうございました)、1時間に1本しかない電車に飛び乗りました。

東京駅で待ち合わせをしながら、反省会・・・。学生たちにとってとても学び多い旅になったようです。静岡にとどまらず、いろいろな地域そして子どもたちに触れることは学生にとってとても大切なことだと考えているので、これからも機会あるごとにゼミ合宿を兼ねて行って行きたいと思っています。

H小学校の校長先生、教頭先生、コーディネーションしてくださったO先生、そしてH小学校の先生方、本当にありがとうございました!

中越・中越沖地震に関する調査 その1

ご無沙汰しておりました。かなりバタバタとしており、UPすることがたくさんできるとなおさら書けなくなるというスパイラルに入っていました(苦笑)。

2008年に入り、すぐに中越地震と中越沖地震の学校や子どもへの影響に関する調査のため新潟県に入りました。

小千谷市内のある小学校と、中越地震当時小1年だった児童が卒業するまで、子どもの様子や学校体制の変化についての長期的な研究調査を行っています。大学の公開シンポジウムで協力を頂いたN先生と1年ぶりにお会いしました。校長先生からは危機状況に対応するための備えについてお話を伺いました。担任の先生方からは、中越沖地震後の子どもの様子の変化や学級での関わりについて気をつけている点などを教えていただきました。その後、N先生からは養護教諭の立場で子どもの心身の変化がどうであるかや、それに対応するためにどのような体制をとっているかについて詳しく伺うことができました。夜の部では、中越地域の養護教諭の有志の先生方が集まってください、おいしい中越の日本酒を飲みながら(!)、子どものケアに関する実情に関するそれぞれの学校の取り組みについて聞きました。先生方のお話を伺っていると、地震が発生して3年以上経ってもケアを要する子どもは0になっていないこと、中越沖地震の影響を再度受けて不安定になった子どもがいたことがわかりました。災害後のケアは10年以上の時間経過を踏まえて取り組んでいく必要があります。

また今回、新潟県教委の許可を頂き、学校が子どもの心身の変化を調査し、それを委員会がまとめ、SCを派遣するまでのフローチャートやそれに関する書類等を頂きました。中越地震の時と違って、中越沖地震はさらに使いやすくなっていました。2度の災害経験を生かした実践的な流れです。これは静岡でも生かしたいと思い、静岡に戻ってから静岡市教育委員会にその資料をお渡ししました。静岡でも東海地震に備えたケアの体制をさらに”現実的かつ具体的に”考えておかなければいけないと思っています。

さらに1月の調査では、柏崎市まで足を伸ばしました。柏崎は中越沖地震で被害の大きかった地域です。今回、中越地震で被災し、その後人事異動で柏崎に移り、そこで中越沖地震でも被災した先生方にお話を伺うためです。2005年に中越で調査をした際にお世話になったK先生、N先生と連絡を取り、さらにK先生の紹介でM先生にも協力していただきました。いずれの先生も「まさか自分が2回も大きな地震を体験するとは思わなかった」と口をそろえておっしゃっていました。中越地震での経験があったことによって、「何をどうすればよいかわかっていたのでいろいろなことで動けた」ということでした。

被災した先生方のお話を聞くたびに思うのが、日本の先生方はすごいということです。残念ですが不祥事を起こして問題となる先生もいらっしゃいますが、98%の先生方は学校や子どもたちのためにがんばっていると思います。特に災害時にご自分の家族や、先生自身が大変な状況にあるにもかかわらず、子どもたちを心配し、学校のために動いていた先生がなんと多いことか・・・。でもそうした先生方の思いやその活躍に目が向けられず、一部の不祥事に目が向けられ一方的な評価しかされないことがとても残念に思っています。こうした状況を研究者として指摘するために、災害時の先生方の状況に関する論文を学会誌に投稿している最中です。災害時の先生方へのサポートについてももっと議論されるべきだと考えています。

災害時に障がいのある子どもへの支援を行うために

平成18,19年度の2年間、静岡県教育委員会指定学校防災推進指定を受けた沼津養護学校と共同研究を行ってきました。「地域、保護者、教職員がともに子どもの生命を守る体制つくり」をテーマに、静岡県の課題である東海地震発生時に障害のある子どもやその家族をどのように支援していけばよいかということで様々な活動や研究を行ってきました。コバ研では、昨年度、中越地震で被災した特別支援学校の保護者や教職員の方のご協力を得て、アンケート調査(今年度の特殊教育学会、学校心理学会で発表)や面接調査を行いました。さらに、これらのデータをふまえて、教職員研修やPTA研修会も行いました。また沼津養護学校の大石先生が中心となって、避難所訓練など防災局も巻き込んだ様々な実践活動を行いました。

こうした活動の報告会として12月12日に、事業報告会を行いました。面接調査でお世話になった前長岡市立養護学校長 畠山先生(現新潟市内小学校長)、中越地震を体験した保護者として木村さん、静岡県防災局の小澤さん、PTA会長の遠藤さんといった多彩なパネラーの方のお話をふまえて、静岡での障がいのある子どもへの支援について考えました。特に畠山先生のお話は、いろいろと考えさせられるところがありました。また、ざっくばらんで、感謝の気持ちを忘れない畠山先生のお人柄によって、震災という大変な中でもみんなががんばれたのではないかと思いました。参加した学生の感想を聞くと、畠山先生の話にとても考えさせられたようです。

報告会の後は、大石先生や防災局の先生方、この事業に関連する先生方と懇親会をしました。東海地震の際の対応についてあーだこーだと熱い議論があり、それが帰りの新幹線の中まで続きました(笑)。こうしたクリエイティブな議論ができるのはとても楽しいですし、研究の成果を地域に還元したいという思いを強くします。残念ながら東海地震が発生してしまった時に、多くの子どもたちが命を落とすことなく、支援を受けられる体制が静岡で整うように、県教育委員会や防災局の先生方と連携してがんばっていきたいと思います。