9月のアナナスの様子

県内に避難されている子どもたちと家族のサポートグループ(アナナス)の第5回を、9月25日に行いました。

今回の子どもグループは、「フィールドビンゴ」をやりました。まず最初に紙のマスの中に、「ぬるぬるしたもの」「とげとげしたもの」・・・など、ことばを入れていきます。

そして、そうしたものを静大のキャンパスで探し出す!という遊びです。

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<みんな真剣に書き込んでいます>

今回、久しぶりに参加してくれた子もいて、最初はとても緊張した様子でしたが、外で大学生のお兄さん・おねえさんと一緒に歩きまわっているうちに緊張もとけて、いろいろとお話ししながら楽しく探せたそうです。

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<お目当てのものはどこにあるかな~>

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<おしゃべりしながら歩くのは楽しいね~♪>

中には、教育学部から最も離れている農学部まで歩いて行ったチームもありました(ちなみに、私はいまだ農学部の方に足を踏み入れたことがありません笑)

今回、NHK静岡の取材が入り、カメラさんと記者さんはその子を追って農学部まで行ってきたそうです。9kg近くあるハイビジョンカメラを抱えて歩き回ったカメラさんは、会場に戻ってきた時には、ちょっとお疲れな状態でした(笑)

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<探しながら、テレビ取材にもばっちり答えています(笑)>

その頃、保護者のみなさんはというと・・・

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<いろいろなことを談笑しながら、のんびりしています>

みんなが頑張って1時間の間に探したものを、見せ合います。

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<いろいろなものを見つけました>

学生スタッフが、どんぐりが枝でくっついている状態のものを「双子どんぐり」と言って、ところどころに隠しておいたそうで、それを見つけることも子どもたちにとってとても楽しかったようです。こうしたちょっとしたところに、学生のアイディアが光ります!(笑)

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<歩き回っておなかがすいたので、みんなでおやつを食べました>

アナナスでは、毎月違った活動を行っています。

子どもグループは楽しく、時にのんびりとした雰囲気で。

保護者グループもほんわかした雰囲気でおしゃべりをしたりしています。

今月は、10月23日(日)13時から、静岡大学教育学部附属教育実践総合センターで行います。ぜひお気軽にお越しください。

また、先生やスクールカウンセラーの方で勤務校に、県内に避難してきた子どもたちがいる場合には、保護者の方にお知らせいただけたら幸いです(各教育委員会にはすでに案内を送ってあります)。ご協力をよろしくお願いいたします。

皆様の参加をお待ちしています!

保護者向けちらし

「10.pdf」をダウンロード

台風の後

先日の台風15号は、21日に静岡県に上陸しました。

静大では、14時くらいから停電してしまいました。パソコンも、電話も、何も使えない状況です。仕事ができないので自宅に帰りたいと思っても、外は猛烈な風と雨。車の運転ができないくらいの状況でした。

16時過ぎくらいに雨が収まったので、外に出てみると・・・

大変なことになっていました

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図書館前の大きな木が倒れてしまい、道をふさいでしまいました。このため、教育学部と人文学部においてあった車が、しばらく外に出せなくなってしまいました。

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研究室のある実践センターの脇の木々も倒れてしまいました。

そのおかげ?でセンター3階からの眺めがよくなってしまいました。

ようやく静大を脱出したものの、電車が止まってしまっていたので、車で帰るしかなくなってしまい、大渋滞でへろへろになりながら自宅に帰りました。

災害に備えて、一応、いろいろな準備はしていたつもりですが、まだまだ準備があまいなと反省した一日でした。

SST本

以前、出版させていただいた「10代を育てるソーシャルスキル教育」が、お陰様でとても人気です。研修会で紹介させて頂くと購入希望の先生が多く、とてもうれしいです。

少しでも安くお手元に届くよう、割引ちらしをUPさせていただきます。ぜひご活用ください。

「20110828093522.pdf」をダウンロード

日本ユネスコ協会での活動

先月のことになってしまいますが、8月上旬に、日本ユネスコ協会の活動のお手伝いをしてきました。その活動は、被災地の先生方にゆっくりしてもらうという趣旨で、秋保温泉に1泊2日で先生方を招待し、ゆっくりのんびり、笑いありの時間を過ごしてもらうというものです。スポンサーの三菱UFJ銀行の方もいらして、世界的な組織の活動の大きさを感じました。

今回は、日本ユネスコ協会と三菱UFJ銀行のご厚意で、コバ研ゼミ生もボランティアスタッフで参加させて頂きました。

私の講義では、先生方にリラックス法などを体験してもらいました。体験していいな~と思ったら、2学期に学級活動に取り入れてもらえるよう、ハンドブックも先生方にプレゼントさせて頂きました。

私の講義の後は、金沢美術工芸大学の後藤先生の「くるりんぱ」のワークショップでした。くるりんぱは、物の見方はいろいろと言うコンセプトで、後藤先生と奥様が「マルタン」という名で作品を作ったり、ワークショップを行ったりして手がけているものです。

くるりんぱ作りでは、画用紙、色鉛筆だけでなく、毛糸や色紙、フェルト、綿など、いろいろな素材が準備されていました。くるりとまわしたらどうなるかと考えすぎると、余計、できなくなる感じでしたが、それがまた非常に面白かったです。

夕食後にくるりんぱの発表会がありました。後藤先生のユーモアあるトークもあって、大爆笑の連続です。先生方もお腹を抱えて笑っていました。先生方の作品には、気仙沼のことや、避難生活に関することもありました。それがくるりんぱして、復興した将来の様子につながるようなメッセージが込められたものもあり、胸がじーんとなりました。

<コバ研ゼミ生のくるりんぱ>

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成田さん

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武井くん ゼミ飲みの時のような笑いをとることを目指してがんばったけど、今回不発

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宮本さん 「くるりんぱ!」すると・・・・

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になりました。

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石原さん

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伊藤さん

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西柳さん

こうしたアート作品を作る中で、様々な思いや考えがその中に込められてくるなと感じました。そして、それをみんなで共有するということにとても意味のあることだなと思いました。そしてそれだけでなく、くるりんぱはその作品から、おかしみ、ユーモアの笑い(私は、落語的な笑いはとても重要だと考えています)がでるのがとてもいいなと思いました。こうした震災後のワークとして、表現だけでなく、みんなでくすっと笑いあえることもできるので、とてもいいな~と思いました。

アートに関しては、ずいぶん前に朝日新聞に被災地でのアート活動に関するコメントを出させて頂きましたが、アートそのものが悪というのではなく、実施する時期や方法に配慮が必要であるということです。今回の震災では、避難所がバタバタしていて落ち着かなかった時期に、落ち着かない場所で行うこと、さらに今回の震災の被害が津波によるものがほとんどで、「水」に関連しています。そのため、水彩絵の具のように「水」を使う画材は特に慎重になる必要があったと考えています。一方で、震災から5ヶ月経過して、衣食住が安定した段階でのアート活動は、思いや考えを表現するための方法として、とても有効であると考えています。くるりんぱもそうした方法の一つだなと思いました。

自由時間には、気仙沼の先生方とお話しする機会もありました。非常に大変な状況の中で、子どもたちを支え、ご自身もギリギリの中、無我夢中で過ごしてきた1学期だったのだと思いました。「直後は、わーっとなんでもやれる感じだった。精神的な疲れは今がピーク」ということばに、これからの支援の大事さを感じました。

私は、次の日に教員研修が入っていたため、日帰りしなくてはならず、なくなく会場を後にしました。東北新幹線では外の景色を眺めながらぼんやりといろいろなことを連想しました。いつも思うのは、被災地の先生方の使命感です。私はいつもこの先生方の使命感に触れるたびに、自分のこころが強く動かされるのを感じます。「こうした先生方にどういった支援を提供できるとよいのだろうか」と。

私にとっても、コバ研の学生たちにとっても、非常に学び多い活動でした。

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マルタンさんと

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静岡県に避難してきた子どもや保護者のサポートグループ(アナナス)

東日本大震災の影響で、静岡県内に避難してこられた子どもたちや保護者の方をサポートするためのグループ(通称:アナナス)を、5月から立ち上げて、毎月1回、静岡大学で活動を行っています。8月の活動で4回目となりました。

毎回参加してくれる子どもたちや保護者の方、県内の臨床心理士や学生のみなさん、そして教育学部の有志の先生方と、多くのスタッフにも支えられて、おかげさまで活動も軌道にのってきました。

8月の活動は、「夏だからバーベキューでしょ~」ということで、食事づくりを行いました。

といっても、大人が食事づくりをやってしまっても仕方がないので、子どもグループは「サンクス・ギビング・ランチ」として、お父さん・お母さんに感謝の気持ちを込めたカレーを作って、お手紙と一緒にプレゼントするということをしました。

子どもたちが調理している間は、保護者グループは県内での生活のことや、東北の地域の情報交換などを行っていました。現地から離れてしまうと、情報が限られてしまうこともあるようで、保護者の方同士で様々な情報交換をされています。

家政の小川先生のご協力で教育学部の調理室にて、約2時間かけてカレーができあがりました。そして、教育学部B棟下(通称Bピロ)に青シートをひいて、お父さん・お母さんに手紙と手作りカレーを渡して、みんなで頂きました。とてもおいしかったです!

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<がんばってカレーが出来上がりました!>

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<お母さんに、感謝の手紙を渡しています>

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<みんなで「いただきます!」>

そして、その後はバーベキューもやりました。すっかりお腹いっぱいです(笑)。

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子どもたちは食べ終わると、学生スタッフたちと野球をしたり、話をしたりと、元気に遊んでいました。

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保護者に家に帰ってからの子どもたちの様子を伺うと、「アナナスに来るととても元気になる」「アナナスに行きたいと子どもが何度も言うので、遠いのですががんばって連れてきました」と、子どもたちがこの活動をとても楽しみにしてくれていることがわかりました。本当にこちらもとてもうれしくなります。

次回は、9月25日(日)13時~15時 静岡大学教育学部教育実践総合センターにて行います。次回の子どもグループの活動は、静大キャンパスを使って、みんなでRPGのようなリアル冒険をします(笑)。その間、保護者の方はゆっくりお話しをしてください。

また参加費等はかかりません。外活動なので、水筒や帽子を持参して頂くだけです。

ぜひご参加ください!

そして、県内のスクールカウンセラーや先生方、県内に避難されてきている子どもたちや保護者の方に、ぜひこのアナナスの活動をご紹介下さい

保護者向けちらし ⇒ 「9.pdf」をダウンロード

*写真は保護者の許可を頂き、掲載させて頂いております。

夏ゼミ

静大はようやく今週でテスト期間が終わり、夏休みに入ろうとしています。

コバ研では、秋から、ある中学校で、全クラス一斉のSSTプロジェクトが始まります。3年生にも授業に入ってもらい、担任の先生のアシスタントとして授業進行を手伝ってもらうことになっているので、SSTに関する勉強をゼミで行いました。

そして、予期せぬ?コバ研OBのたかひろ、かおり、ひさのの訪問もありました。そして近況報告を聞きながら、うれしい報告も聞けました(笑)

夜はOBを交えて、久しぶりのコバ研コンパをやりました。東日本震災の関係で、前期は私もバタバタしていたこともあって、3月の追コン以来のコンパです。

みんな笑顔でいられることが、本当に何より幸せです

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派遣スクールカウンセラーが終わって・・・

5月から6月にかけて、静岡県臨床心理士会のメンバーが、毎週2名ずつ6週間、岩手県宮古市に派遣されました。私は第3陣として、再び宮古を訪れました。

街に近い沿岸部のがれきは4月に比べて、片づけられたところも多く、人の力の大きさを感じました。しかし、一方で手つかずになっているところもあり、復興の温度差も感じてきました。

静岡県チームでは、毎週スクールカウンセラーが変わってしまうことから、チームとしての一貫性?を持つために、コバ研メンバーの「ウッキー」を現地において、SCが交代で使って活動しました。

「学校に連れてくる人は変わるけど、ウッキーはいつも一緒にやってくる」という感じです。

一緒に活動したSさんは、小学校担当だったため「ウッキー」を活動の中で活用してくれました(私は中学校担当だっため、パペットを使わずに授業をしました)。

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ウッキーは手触りがとてもよく、子どもたちがかわるがわるだっこしたり、なでたり、いじくったりしていたそうです。

先月、派遣SC活動が終わり、そして県士会でのシェアリングも終わり、活動が一区切りつきました。最終メンバーがウッキーを現地から持って帰ってきてくれたので、ウッキーにもほっと一息ついてもらおうと、バケツのお風呂に入れて、洗ってあげました(笑)

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現地でたくさんの子どもを笑顔にする活動をしてきたウッキー・・・お風呂でのんびりです(笑)

支援活動は、寝る、食べる・・・そしてお風呂・・・

これが結構、支援者のケアとしても非常に重要だなと痛感しています。現地での活動中はできる限りゆっくりとお風呂につかるようにしていました。お風呂から出ると、体が心地よい疲れになり、さっぱりした気持ちになりました。

派遣SC中の活動は、勤務校の先生方や子どもたち、そして他県SCとの交流もできて、非常に学びの多い体験でした。その中で、ニーズに応じた活動を行ってきましたが、それが少しでもお役に立てていればいいなと思っています。そして、今だけでなく、今後もしばらくサポートを続けてさせて頂きたいと考えています。

災害時の教師の心理に関して

このブログでも紹介しましたが、中越地震が発生してから2010年まで、中越地域のある小学校2校に継続して関わらせて頂き、当時1年生だった児童が卒業するまで調査を行ってきました。ラスト2年は、科研も頂くことができ、災害後4年の段階での教師の疲れに関する調査も行いました。

ちょうど災害直後の教師の心理に関する論文をまとめましたので、PDFにてUP致します。中越地震の時のものなので、今回の東日本大震災と状況などが異なる部分もあると考えています。その大きな要因は、発生時刻です。中越は土曜夕方、東日本大震災は日中で学校に子どもたちがいる時間帯に起きています。なので、置かれた状況も異なりますので、今回のケースに当てはまる部分とそうではない部分があります。

ただ、共通している点としては、使命感や責任感といった気持ちは同じだと考えています。また子どもたちの元気な姿を見て、がんばりや安心感を感じている点も同様だと思います。そして、累積していく「疲れ」も・・・。

支援者や、先生方の参考になれば幸いです。

小林朋子(2011)災害発生時に学校が置かれた状況とそれに伴う教師の心理、静岡大学教育学部研究報告(人文・社会・自然科学編),61,129~139.

「20110607163910.pdf」をダウンロード

被災地へ

今、東北新幹線で岩手県に向かっています。文部科学省の派遣SCとして、活動をするためです。

ブログに書くタイミングを逃したのですが、4月25日から30日まで、静岡県臨床心理士会の先遣隊として、現地入りしていました。甚大な被害の状況を目の当たりにしながら、学校でのケアをどのように進めていくとよいかについて、各学校の様子を伺ったりしました。

いつも思うのですが、学校の先生方は本当に子どもたちのために少しでもよい対応をしたいという思いでいらっしゃるなと・・・。

ご自分の辛さや疲れをおいておき、目の前の子どもたちに対応されている・・・本当に心から敬意を払わずにはいられません。

ただ・・・2ヶ月が経過していることもあり、ゆっくり、ゆっくりと(←これが肝心)、疲れや気の張りを緩めて頂けたらなと思っています。そのお手伝いができたらよいなと思っています。

気負わずに、現場のニーズを捉えて、かつタイミングを大切にして対応していきたいと思います。

静岡での活動は、昨日の総会も終わり、静岡県臨床心理士会支援本部の活動も正式に組織に位置付けられました。「派遣SC」「派遣保健師のフォロー」「サポートグループ活動」の大きく3つの軸で行っていくことになります。会長が本部長、そして私が副本部長をやらせて頂いています。メンバーのサポートもあって、県士会支援本部の動きも軌道にのりつつあり、「組織としての動きができているな~」と感じています。なので、私もこの派遣SC活動に集中できるのでとても助かります。

今、新幹線の窓からは、のどかな東北の風景が広がっています。向こうの山々にはまだ雪が見えています。

それでは・・・

サポートグループの立ち上げ

静岡県内に移住してこられた子どもたちや保護者の皆様に、少しでもほっとできる場所を作り、静岡での生活をサポートさせて頂きたいと考え、県内に引っ越してきた子どもたちや保護者の皆様を集めたグループ活動をはじめることに致しました。

 お子様は、静岡大学の学生たちとレクレーションをはじめとする様々な活動を行います。その時間に、保護者の皆様は保護者同士でのんびりとした時間をお過ごしいただけたらと思います。各グループには、こころのケアを専門とする臨床心理士もおります。東北地方から引っ越ししてきた方々同士、横のネットワークを作りながら、子どもも保護者の皆様も、気軽にほっとした時間を過ごしてみませんか?皆様のご参加をお待ちしております。

日時:月1回、週末に行います。この後の予定
     第1回 2011年 5月15日(日) 13~15 時
     第2回 2011年 6月19日(日) 13~15 時
     第3回 2011年 7月10日(日) 13~15 時

集合場所:静岡大学教育学部附属教育実践総合センター3

http://www.shizuoka.ac.jp/access/map_shizuoka.html

  

  住所:静岡市駿河区大谷836

  交通機関:JR静岡駅北口バスターミナル6番乗場から「静岡大学」又は「東大谷」行きに乗車し、「静大前」又は「片山」下車(所要時間25分、1時間に57本運行)

内容:子どもグループと、保護者グループに分かれてそれぞれ活動を行います。子どもグループの内容は、別紙のちらしをご覧ください。

参加費:300円(保険代他)

申し込み方法 

    お子様の名前・学年、②保護者様のお名前、③住所、④電話番号、⑤メールアドレス

申し込みはできるだけ、MAILもしくはFAXにてお願いします。

メール:ananasu.fujinet@gmail.com

電話・FAX:静岡大学こころの相談室 054-238-4954(火曜~金曜PMのみ)

主催:静岡大学教育学部・人文学部

共催:静岡県臨床心理士会

後援:静岡県教育委員会・静岡市教育委員会・浜松市教育委員会