県とのこころのケア協定締結へ

今年度に入り、いろいろなことを考え、様々な方のサポートを受けながら、ある仕事に取り組んでいました。今月は、その過程での大きな山場がありました。

それは、東海地震発生時において、臨床心理士が静岡県と連携して心のケア活動に取り組むための協定締結について、静岡県臨床心理士会の会員の方々の了解を頂くことでした。

昨年度から、静岡県危機管理局や精神保健福祉室とやりとりがはじまり、今年度に入り、県担当者と何度も協議を重ねてきました。県の計画を頭に入れていなければいけないと考え、県が出している防災計画や心のケアに関するマニュアルやガイドラインすべてに目を通しました。その中で、民間の力である臨床心理士が、行政と連携して、被災した県民のためにできることはなんだろうかと考え、県とやりとりをしてきました。

今月の年次総会では、午前中に日本臨床心理士会の村瀬会長の講演がありました。そこで、村瀬先生から地域のために私たち臨床心理士ができることを真摯に考える大切さをお話して頂き、非常に心強い思いになりました。

午後からは、総会に入り、予算案などを決議した後、私が委員長を務めている被害者支援委員会が中心となり、東海地震発生時の体制作りに関する説明を行いました。まずは、災害時の状況をよりイメージして頂くために、阪神淡路大震災で現地対策本部長として対応した高橋先生が作成された被災者支援に関するDVDを見てもらいました。次に、長島委員から被災者支援に関する抵抗や不安と、それに基づいた対応について話していただきました(このデータは、心理臨床学会秋季大会で発表する予定です)。そして最後に、協定を含めた静岡県臨床心理士会の活動内容について、私から会員の皆様に説明させて頂き、無事に会員の皆様からの了解を頂くことができました。

総会終了後、プロジェクトメンバーと固い握手をしました。そして、その後はとにかく力が抜けました(笑)。本当にここまで至るまで想定外のことも含めていろいろなことがありました。本当に大変なこともありましたが、最後は「使命感」でやり遂げた感じです。そしてプロジェクトメンバーのサポートが非常に心強かったです。四川に行っていなかったら・・・このメンバーに出会えてなかったら・・・たぶん、私はここまでがんばれなかったのではないかと思います。

協定の内容等に関しては、公表可能になった段階でご紹介していきたいと思っています。遅くても今年度中、できれば夏くらいに、県知事との協定締結を目指しています。これが締結すれば、臨床心理士会としては日本初の試みとなります。

東海地震に備えた心のケアの体制作りがまた一つ進みました。