先日、SC業務のためT中へ。
T中の重い門を開けて、車を入れ、また閉めていた時に、少し離れたところに先生がいたので、「こんにちは!寒いですね~」とあいさつをした。その時、先生の方に完全に気が向いていた。
ガツン!!!
正門が後方からやってきて、左足首が門と地面の隙間に挟まってしまった。
「うわああああああ!!!」
久しぶりに、全身を駆け抜ける激痛・・・
足は門からすぐに抜くことができたが、激痛で立ち上がることができない。しばらく地面を這って痛みをこらえていた。ブーツをはいていたけれども、かかとから血が出てきているのがわかった。立ち上がろうとしたら、とりあえず立てる!(いつものことだが、元気な体に産んでくれた母に感謝する瞬間)。「骨は大丈夫そうだから、とにかく保健室に行こう」と思った。
ふと校舎の方を見ると、ちょうど昼休みということもあって、何人もの生徒が遠くからこちらを心配そうに見ていた(笑)よろよろしながら、通用口すぐにある保健室へ。
「こんにちは・・・I先生・・・やってしまいました・・・(泣)」
養護教諭のI先生がいたので、すぐに診ていただいた。ちょうど昼休みということもあって、生徒たちがわらわらいて、私の傷口を覗き込んでいた。
「きゃああ~!!痛い!!!痛い!!!」
消毒薬を塗られているのは私なのに、みんななぜか痛がる。その様子を見ながら、痛いんだけれども、なんだかとても面白かった。
ちょうど保健室に相談室登校のAさんがいた。
手当が終わると、「先生、肩貸しますよ」とすっと肩を貸してくれた。そして、少し離れた私の面接室まで、私の重いカバンと私を抱えてくれて、昼休みのザワザワした廊下を一緒に歩いてくれた。
そして、段差や障害物を気にして、私のペースに合わせて、支えてくれていた。そして、Aさんは私がまだ食べていなかった給食を職員室から運んできてくれた。そして、Aさんや相談室にいる生徒たちと話しながら食事をとった。
「ありがとね、本当に助かったよ」
と、感謝の気持ちを伝えた時のAさんのはにかむ顔がなんだかとてもよかった。
支えている人と支えられている人が、自然に交代することもある<日常>。
こうした何気ない、<支えあう>という感じが、「なんかいいな~」と思った。
カウンセリングルームのような<非日常的な枠組み>ももちろん必要なのだけれど、でもそれ以上に日常生活の何気ないやりとりの中で、人は癒されていくことが多いのだろうと感じている。学校は<日常>の場。だからこそ、学校で生徒や教師も含めて互いに支えあう雰囲気があれば、それだけで学校はすごい<力>をもった場になるのだろうと思う。
先日、臨床心理士のメンバーとの打ち合わせの中で、心理療法で改善されたと言えるのは10%~20%くらいだということを聞いた(どの文献かはきちんと読めていません。ここでは、あくまでも聞いた話です)。となると、<日常>のエンパワーメントをいかに行うかは非常に重要だ。被害者支援をしていると、<日常>の質を向上させることはまず最初に行われるべきことでもある。
臨床はいろいろな場があるけれども、私はどこが好きかというと、やっぱり<日常>に寄り添う「学校」という場がやはり心から好きだなとしみじみ思った出来事だった。