共同研究をさせていただいている法政大学の渡辺弥生先生から、ご著書「11歳の身の上相談」(講談社)を頂きました。 いつも思うのですが、先生の本はとても具体的で、しかもわかりやすいです。子育てしているお母さん向けに作った本なので、マンガも入っていて、難しい心理学の知識をとてもわかりやすく解説しています。思春期のお子さんを持つお母さんたちだけでなく、学校の先生や学生の方にもお勧めです!渡辺先生が書かれるようなよい本を自分も作れるようになりたいな~といつもしみじみ思います。
現在コバ研では、その渡辺先生との共同研究として、ソーシャルスキルトレーニングの中学校での実践に向けて、バタバタしています。予定しているのは、ソーシャルスキルトレーニングの中の一つのプログラムであるSS.GRIN(Social Skill Group Intervention)というプログラムです。SS.GRINは、ノースキャロライナ大学のDeRosire博士のチームが研究、実践しているプログラムで、社会的学習理論および認知行動理論の視点や技法を結びつけた方法です。
そのプログラムが目指す目標は、子どもたちの
①認知的・行動的なソーシャルスキルの基本を育てる
②向社会的な態度や行動の強化
③いじめなどの問題に対処する適切なコーピング・スキルを促進する
とされています。このプログラムは、対人関係や怒り、自尊心、敬意といった感情の認知的側面を強調するところが特徴です(渡辺,2008)。日本では、渡辺先生の研究室が千葉県と静岡県の公立高校で実践しています。コバ研も静岡県の高校での実践のお手伝いをさせてもらっています。そしていよいよコバ研が中心となって、このプログラムを中学校で行うことになりました。日本の中学校での実践はこれが初めてとなります。
これまで実施した高校の指導案をベースとしていますが、高校生用を中学生用に修正するのは、思ったよりも簡単ではありませんでした。教材も、学校の先生ではなく、すべて大学の方で準備をするため、何度も時間をとり、時間に追われるようにコバ研総動員で準備に大わらわ・・・。コバ研だけでなく、他専攻でも、このプログラムに興味のある学生さんも手伝ってくれています。 (写真は、準備に熱が入るコバ研一同)
本当に、本当に、大変な作業ですが、生徒の笑顔が見られればきっと苦労なんて吹っ飛ぶんだろうな~このプログラムは11月から2月まで実施します。
がんばるぞ!