旅立ち

卒業式が終わったにもかかわらず、先週末にコバ研の追コンをやりました。OBの尾崎先生、石川先生、上田さんもかけつけてくれました。コバ研を旅立って行くのは、櫻田さん、清野さん、八木くんです。とても元気なメンバーで、いつもコバ研の雰囲気を作っていました。ゼミに入ってから2年間、本当にいろいろな思い出があったメンバーです。泣いたり、笑ったり、叱られたりといろいろありました。卒業生の旅立ちを見送りながらも寂しさでいっぱいです・・(笑)。今は、社会でのこれからの活躍を心から願う気持ちでいっぱいです。

コバ研のコンパはお店ではなくて、大学で料理を作って飲むことが恒例です。今年の卒業生3人とはお店で飲んだ回数は2年間で数回しかありません(笑)。それはなぜかというと、この3人がコバ研に入った時の新歓から、あるプロジェクトが立ち上がったからなのです。そのプロジェクトとは、「全国47都道府県の酒を飲むぞ!プロジェクト」です。このプロジェクトには重要な狙いがあります。それは日本では「一緒にお酒をくみかわす」ということは文化的にも非常に重要なスキルであると思います(飲まなくてもその席にいるだけで)。新しい方と出会った時に、その方の出身地の話をすることがありませんか。その時にこの体験が役に立つのでは・・・ということから始まりました(一応)。なので、このプロジェクトのルールは、①お酒はその土地に行って買ってくるべし(お取り寄せ禁止)、②購入者が必ず入ってみんなで飲むべし、というものでした。なので、47都道府県にコバ研メンバーが足を運び、その土地のお酒を買ってきました。その主力となったのが清野さんでした。清野さんはこの3月で卒業なので、なんとしてもプロジェクトを完成すべくみんなでがんばって飲み続けました。そしてその卒業に合わせて、なんと47都道府県すべての酒をコンプリートしました!(笑)。47番目はもちろん静岡県。私が好きな「磯自慢」の純米大吟醸を飲みました。まさか2年間でコンプリートできるとは・・・(笑)。コバ研のパワーを表しているような感じです(笑)。

いろいろな点で区切りがついた2007年度。明日から2008年度がスタートです。新メンバーがコバ研に入ってきます。2008年はすでにSST・VLFを年間で実施することも決まっています。いろいろ忙しくなる2008年度のコバ研です。Cimg0802

←OBも集まってくれましたCimg0815

←学位取得をお祝いしてもらいました(*^_^*)Cimg0842

←クリアする度に塗りつぶしていった白地図。やはり日本酒がダントツで多かった・・・。

学位記授与式

今日は、筑波大学より博士(教育学)を頂けることになったので学位記授与式に出席してきました。論文博士として、学位論文「子ども支援のための教師へのコンサルテーションに関する研究-効果的なコンサルテーションスキルの観点から-」を、筑波大学の先生方に審査していただき、晴れて博士号を頂けることになりました。学位記授与式にはコバ研を巣立って、現在筑波大大学院にいる上田さんも駆けつけてくれて、私をイメージしたというオレンジ色のお花のブーケをプレゼントしてくれました。コバ研OBにも祝ってもらって、とてもとてもうれしかったです(泣)。080325_1310 080325_1924

学位論文の内容は、スクールカウンセラー(SC)・相談員や特別支援の巡回相談などの立場の人(コンサルタント)が、子どもに日常関わる担任の先生(コンサルティ)などを支援する「コンサルテーション」に焦点をあてています。支援を提供する側のコンサルタントが、支援を受ける側である担任の先生にどのように支援したらよいかについて、コンサルテーションの各ステップごとに明らかにしました。この学位論文のデータの中で、まだ学会誌に投稿していないデータは順次、論文投稿していきます。また、一般書としての出版も計画している段階です。私が大切にしている「研究成果を現場に還元し、役立てる」を来年度は丁寧にやっていこうと考えています。またコンサルテーションに興味のある人たちで研究会や学会でのシンポジウムが企画も考えているところです(このブログを読んで、コンサルテーションに興味のある(持った)方は、私までご連絡くださるととてもうれしいです)。

今年度は仕事をしながらの学位論文の最終執筆に取りかかっていたので、とってもきつかった1年でした。大学の方も教員スタッフが休職等で少なかったため、静大に移ってから一番多い授業数になり、かつ大学運営上の細々した仕事をこなしました。テーマに関連しているSCはどうしても辞めたくなかったので、がんばって両立させていきました。そんなこともあって執筆にかける時間をどう捻出するかが大変で、今年度は(も?!)コバ研の学生スタッフにはずいぶんと迷惑をかけてしまったと、とても反省しています。本当にいろいろな方々の支援、協力のお陰で無事に博士号を取得することができました。ブログ上からではありますが、この場をお借りして心より御礼申し上げます。

そして、これまで同様に、学校現場の子どもたちの支援に結びつく研究、そして実践を進めていきます。

中越調査 その2

1月に引き続き、2月にはコバ研学生スタッフと一緒に十日町市のH小学校に行きました。このH小学校は中越地震発生後すぐにボランティアとして行った際に、たまたまご縁があった学校です。こうしてそのご縁から継続調査のご協力をして頂いています。

ぽかぽか陽気の静岡を出発し、新潟に抜けるトンネルを出るとそこは雪国・・・。学生スタッフのKさんはちゃきちゃきの静岡生まれで、これまでにスキーにも行ったことがなかったので、一面銀世界の景色に異常なテンションになりました。200821921_002 200821921_001

駅に着くと校長先生がお出迎えをして下さい、十日町市の様子を見せていただきながら学校に向かいました。学校の回りは雪の壁・・・。さっきまで菜の花が咲いていた静岡から来ると日本は広いんだな~としみじみ思いました。

給食を頂いた後、昼休みには全校児童との対面式?なるものも設けてください、その後の昼休みは子どもたちとたくさん遊ぶことができました。私は1年生の子どもたちとずっと「はないちもんめ」をして遊びました。

その後、H小学校の先生方のご好意で、学生たちは雪下ろし体験、校庭でのスキー体験、スノーモービル体験をさせて頂きました。その間、私はインタビュー面接です(途中で少し私も体験させてもらいましたが・・・笑)。中越沖地震が起きた去年・・・中越地震から3年が経ち、「もう地震はないだろう」と地震のことすら忘れかけていたところに再度の大きな地震がありました。先生方の中にも、中越地震の時を思い出し、パニックになった、涙が出てきた等フラッシュバックに近い症状が見られていました。子どもたちや保護者の中にも心身ともに不安定な症状が見られたそうです。安心していたところに再度の大きな地震は、中越地震の時の1回目の影響よりも大きな影響を与えたのではないかと思います。「安心しきれない」という感覚でしょうか・・・。災害後のケアは地震直後だけではなく、長期的かつ継続的に支援していく必要性があると感じました。

2日目は学校やPTAのご好意で3,4年生のスキー教室にご一緒させてもらいました。その日は雲ひとつない快晴!ふわふわの雪と真っ青な空で最高のスキー日和でした。初心者の学生たちと先生方やPTAの方が親切に指導してくださいました。本当にありがとうございました。200821921_014 200821921_003 夜にはH小学校の先生方との懇親会があり、先生方そしてコバ研スタッフの一発芸まで飛び出し、大いに盛り上がりました。懇親会が終わった頃に、コバ研OBのYさんが新潟から駆けつけてくれてYさんを入れてホテルで2次会をしました。

3日目は、私が4年生対象にソーシャルスキルトレーニングの授業をやりました。内容は、「上手な断り方」です。朝からホテルで学生スタッフはモデリングの最終確認です。学生たちも自分のノンバーバルなくせを指摘されて、「え~!!」とそれを意識して修正するのに四苦八苦していました。こうした授業作りに学生が参加することそのものが、学生のソーシャルスキルの向上につながっていると感じています。学生が丁寧にモデリングやロールプレイの難しさを体験し感じることは、子どもたちを相手に授業をする時にとても活きます。ここらへんを教官がどう指導していくかがとても重要だと考えています。授業終了後はばたばたと事後研修会をやり(他の学校から参加してくださった先生方ありがとうございました)、1時間に1本しかない電車に飛び乗りました。

東京駅で待ち合わせをしながら、反省会・・・。学生たちにとってとても学び多い旅になったようです。静岡にとどまらず、いろいろな地域そして子どもたちに触れることは学生にとってとても大切なことだと考えているので、これからも機会あるごとにゼミ合宿を兼ねて行って行きたいと思っています。

H小学校の校長先生、教頭先生、コーディネーションしてくださったO先生、そしてH小学校の先生方、本当にありがとうございました!

中越・中越沖地震に関する調査 その1

ご無沙汰しておりました。かなりバタバタとしており、UPすることがたくさんできるとなおさら書けなくなるというスパイラルに入っていました(苦笑)。

2008年に入り、すぐに中越地震と中越沖地震の学校や子どもへの影響に関する調査のため新潟県に入りました。

小千谷市内のある小学校と、中越地震当時小1年だった児童が卒業するまで、子どもの様子や学校体制の変化についての長期的な研究調査を行っています。大学の公開シンポジウムで協力を頂いたN先生と1年ぶりにお会いしました。校長先生からは危機状況に対応するための備えについてお話を伺いました。担任の先生方からは、中越沖地震後の子どもの様子の変化や学級での関わりについて気をつけている点などを教えていただきました。その後、N先生からは養護教諭の立場で子どもの心身の変化がどうであるかや、それに対応するためにどのような体制をとっているかについて詳しく伺うことができました。夜の部では、中越地域の養護教諭の有志の先生方が集まってください、おいしい中越の日本酒を飲みながら(!)、子どものケアに関する実情に関するそれぞれの学校の取り組みについて聞きました。先生方のお話を伺っていると、地震が発生して3年以上経ってもケアを要する子どもは0になっていないこと、中越沖地震の影響を再度受けて不安定になった子どもがいたことがわかりました。災害後のケアは10年以上の時間経過を踏まえて取り組んでいく必要があります。

また今回、新潟県教委の許可を頂き、学校が子どもの心身の変化を調査し、それを委員会がまとめ、SCを派遣するまでのフローチャートやそれに関する書類等を頂きました。中越地震の時と違って、中越沖地震はさらに使いやすくなっていました。2度の災害経験を生かした実践的な流れです。これは静岡でも生かしたいと思い、静岡に戻ってから静岡市教育委員会にその資料をお渡ししました。静岡でも東海地震に備えたケアの体制をさらに”現実的かつ具体的に”考えておかなければいけないと思っています。

さらに1月の調査では、柏崎市まで足を伸ばしました。柏崎は中越沖地震で被害の大きかった地域です。今回、中越地震で被災し、その後人事異動で柏崎に移り、そこで中越沖地震でも被災した先生方にお話を伺うためです。2005年に中越で調査をした際にお世話になったK先生、N先生と連絡を取り、さらにK先生の紹介でM先生にも協力していただきました。いずれの先生も「まさか自分が2回も大きな地震を体験するとは思わなかった」と口をそろえておっしゃっていました。中越地震での経験があったことによって、「何をどうすればよいかわかっていたのでいろいろなことで動けた」ということでした。

被災した先生方のお話を聞くたびに思うのが、日本の先生方はすごいということです。残念ですが不祥事を起こして問題となる先生もいらっしゃいますが、98%の先生方は学校や子どもたちのためにがんばっていると思います。特に災害時にご自分の家族や、先生自身が大変な状況にあるにもかかわらず、子どもたちを心配し、学校のために動いていた先生がなんと多いことか・・・。でもそうした先生方の思いやその活躍に目が向けられず、一部の不祥事に目が向けられ一方的な評価しかされないことがとても残念に思っています。こうした状況を研究者として指摘するために、災害時の先生方の状況に関する論文を学会誌に投稿している最中です。災害時の先生方へのサポートについてももっと議論されるべきだと考えています。