御前崎での活動

駿河湾地震は、中越地震と同じ規模だったそうですが、被害が少なく済みました。これも普段の防災意識の高さが大きかったと思います。

私はちょうど、APAを終えて、バンクーバーから成田に向かう飛行機にちょうど搭乗するために並んでいた時に、空港のTVが速報としてテロップを流しました。それに気づいて、すぐに日本に電話をしたところ、静岡で地震があったとわかりました。連絡を取りたいと思いながらも、航空会社の人からは「すぐに飛行機に搭乗して!」と言われ、なんとも言えない気持ちで飛行機に乗りました。10時間近くのフライトでは、一切、情報が入らず、同僚、ゼミ生や卒業生、T中の先生方や生徒たち、カウンセリングで関わってきた卒業生たち・・・いろいろな人の顔を思い浮かべました。そして四川の情景が浮かび、あのような光景が静岡で広がっていて、みんなにもしものことが遭った時に、私はそれに耐えられるだろうかと考え、涙が出てきました。

本当に、なんとも言えない、本当にいやな時間でした。情報が入れば、杞憂になるのですが・・・。成田に着いて、情報が入ってくると、思ったよりも被害がなく、とてもホッとしました。情報の大切さを身にしみて感じました。

そして先週の土曜日に、危機管理局のアドバイスを頂き、静岡県臨床心理士会の代表幹事の人文学部の江口先生、会員の石渡さんの3名で、御前崎災害ボランティアネットワークの方と一緒に区長宅を回る活動についていかせて頂きました。

御前崎市では、海から山に向かって帯状に被害が集中していました。「断層なのかな」と話をしていたのですが、よくわかりません。被害は、屋根のかわらが落ちたり、割れたり、ゆがんだりしたり、建物に亀裂が入ったりするものでした。落ちたかわらで、人的な被害が出なかったことが何よりでした。P81503331 P81503271

巡回しながら、県士会被害者支援委員会で準備した資料(ストレス反応とその関わり方)をお渡しする活動をさせて頂きました。
その中で、少ない数ではありますが、夜眠れない、子どもがべったりくっついてきて甘えてくる、地震発生時にいたトイレに入れない、といった訴えが出てきました。
ただ、いずれも生活に支障がでるレベルではなかったため、その場で簡単にアドバイスをして、もし気になるような場合にと、牧之原市の相談窓口が書いてある資料をお渡ししました。
またこの活動の様子について、NHK静岡の記者の方がまとめてくださり、次の日の全国版のニュースで流れたそうです(早朝だったそうで、私は見ていないのですが・・・苦笑)

また今日になって、健康相談センターの保健師さんより連絡を頂き、県士会で個別相談に対応してもらえるのかという問い合わせがありました。少しではありますが、センターに相談が来ているようで、保健師さんたちが対応にとまどっているようでしたので、電話にてコンサルテーションを行いました。

まだまだ心のケアの体制にも課題がたくさんあるのを実感した活動でしたが、まずは今回の地震を足掛かりにして、「何ができるか」を県内の臨床心理士の中でも考えていけたらと思っています。

今回、思ったのが、自主防災組織や災害ボランティアネットワークの活動が素晴らしいことです。今回、ご一緒させて頂いた御前崎地区災害ボランティアネットワークのOさんは、地域のキーパーソンである区長さんや組長さんとしっかり顔が見える連携をしていて、気軽に話ができていました。こうした平時のやりとりがないと、こうした緊急時に動けないんだなと思い、その重要さを実感しました。

今後の地震に備え、いかに顔がわかる連携を進めていくか・・・これを一つのミッションとして頑張っていこうと思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です