渡辺弥生先生が編者をされている「絵本で育てるソーシャルスキル」が発刊されました。
この本は、渡辺先生がハーバード大に短期研修に行かれた際に、セルマン先生から指導をもらって日本に紹介した「VLF思いやり育成プログラム」に基づいています。
渡辺先生によるとこの本のコンセプトは、「普段の子どもたちによく見られる18のトラブルを取り上げ、具体的にどのようにかかわったらよいかについて、VLF思いやり育成プログラムという方法でアプローチしました。このプログラムのポイントは、ソーシャルスキルの考え、思いやりの心を育む、絵本を使う、の3つにあります。子どもたちが大好きな絵本を使うことで、いろいろな人たちとうまく生活していくために必要なソーシャルスキルを楽しく学ぶことができます」、とあります。
私はこの本で、「友だちにいじわるをする子」「友だちを助けてあげない子」「友だちが傷つくことをする子」を担当させて頂きました。この原稿を書くためによい絵本はないかといろいろと調べたり、読んだりしました。その時に気づいたのが、「いじめられっ子」が主人公の絵本はあっても(例えば、からすたろう)、「いじめっ子」が主人公の絵本がないこと。いじめっ子が、ある出来事をきっかけに自分がしてきたことを振り返る・・・といった内容の絵本がないかといろいろ探したのですが、結局、私のリサーチで見つからなかったのです(もし「こんな本があるよ!」という本があればぜひ教えてください!)。いじめっ子の心情、そしてその心情の変化に触れるものがあってもよいのにな・・・と思います。
VLFはここしばらく実践していませんが、以前、mmm先生が「裏庭での出来事」という文部科学省作成のビデオ教材を用いてやってくださったVLFの授業は今でも私にとって印象深い授業として残っています(今でもなぜあの授業を録画しなかったんだろうと後悔しています)。VLFは、SSTとはまた異なる雰囲気、そして深く、子どもに迫る授業になるのですが、教材研究によって授業者の力量が出やすいのと(これはどの授業でも同じかもしれませんが)、一つの価値観を教える道徳の授業と違って、様々な意見が出てくることによる道徳との違いが先生方にとって少し違和感があるようです。ただ、小学校の先生にはとてもなじみやすいプログラムです。
久しぶりにVLFもやってみたくなってきました。そして興味のある方はぜひお手元に1冊、ぜひ