松原記念賞受賞

先月、琉球大学で開催された日本カウンセリング学会第40回大会で、日本カウンセリング学会学会賞の一つである「学校カウンセリング松原記念賞」を受賞いたしました。009

正直、学会賞のような栄誉ある賞を自分が頂けるなんて、思いもよらなかったので(これぞ、”想定外”)、内定のご連絡を頂いた時には、「え?なぜ私?」としばらくぼーぜんとしました。総会で、福島先生から受賞理由を聞くまでは、「新手のドッキリだったらどうしよう」と思い、最後の最後まで自分の受賞が信じられませんでした。理事長の國分先生から賞状を頂いて、ようやく受賞を実感できたのが本音です(笑)。

受賞理由は、カウンセリング研究に発表した2本の論文、そして学会での活動、児童虐待に関して早期から着目し研究していたことなど、学校カウンセリングに関する活動を総合的に評価され、理事の先生のご推薦もあり、受賞が決定したそうです。

この受賞は自分の力だけで頂けたものではないと思っております。受賞の際に「一言コメント」と言われ、そこでお話させていただきましたが、この賞は、これまでに研究を指導してくださった先生方、様々な面で支援してくださった方々、学校現場で一緒に活動してきた先生方、これまでに出会った子どもたちや保護者の皆様、そしてコバ研やポレポレクラブの学生のみなさんといった、本当に多くの方のサポートのおかげです。本当に本当にありがとうございました!!受賞できたのは、こうした多くの方々の出会いの賜物と思っております。今後も、いつも笑顔で、どんな状況でもあきらめず、あらゆる状況に対応できるスクールカウンセラー、そして研究者として、精進していきたいと思っております。今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

さらにその後、沖縄に住んでいる国際武道大学時代の教え子のポレポレクラブのスタッフが集まってくれて、同窓会&お祝い会をやってくれました。015_2 久しぶりに元気な(元)学生たちの顔が見れて本当に楽しかったですし、心からうれしかったです。勝浦で共に子どもたちのためにがんばった時代が、キラキラして見えて、とてもなつかしく思えました。

これからも、学校現場を大切にした実践、研究を進めていこうと、改めて確認した沖縄への旅でした。

NYにて

ただいまNYにいます。とっても寒いです。

今回は、NewYork UniversityのM.A.のスクールカウンセラーの養成課程を担当しているDr.Suzukiへのインタビューと、AMEへの参加が目的です。

詳細はまた後日・・・。

英語力をもっともっと磨かなければとまた改めて実感しました。言語の壁を乗り越えられたら、もっともっと研究の幅が広がる。がんばるぞ!

世界遺産の屋久島で

先日、世界自然遺産の屋久島にある屋久島町立安房小学校で教育講演会をさせていただきました。本当にいろいろな縁でこの学校と結びついた感じです。

講演のテーマは、発達障害のある子どもを含めて子どもたちの特徴をどう共感的に理解して、地域で支えていくかということです。この安房小学校では、昨年は屋久島にある総合病院の小児科の先生を招いて発達障害の勉強をしたそうで、そこからPTAでの関心が強まったそうです。そこにひょこっと私が結びついていった感じです。

200711_002  200711_001安房小学校の後ろには雄大な世界遺産でもある屋久島の森が広がっていました。そして、さすが鹿児島・・・校舎の入り口には二宮金次郎ではなく、西郷さんの銅像が・・・。学校は地域の特色をとても反映しているところであることを改めて071102_1234 実感しました。

そして、お約束?の給食もしっかり頂きました。屋久島特産のサバのから揚げとさつま汁。わざわざこの日のために用意して下さいました。さらに、子どもたちが学校で育てたお米で子どもたちと保護者でお餅をついたものを頂きました。とってもおいしかったです!(笑)。

5時間目の授業を全教室参観させていただきました。いろいろな学校を見ていますが、子どもたちが落ち着いていたこと、そして子どもたちがとてもキラキラとした目をしている印象を受けて、ほのぼのとしました(屋久島の子どもたちは夏は川や海で遊んでいます)。

平日の午後にもかかわらず、多くのPTAや地域の方が参加してくださいました。少し「やってみる」形式も取り入れてみました。200711_012 懇親会にも安房小PTA以外の方も、飛び入り参加してください、夜遅くまで島の教育相談事情などを伺うことができました。屋久島では支援を必要としている子どもや保護者はいますが、スクールカウンセラーさえ配置されていないことに驚きました。今の日本は、大都市圏、県庁所在地以外の地方、特に島嶼地域では十分は支援サービスがないことを改めて実感しました。以前、前の勤務大学の学生たちと「ぽれぽれクラブ」を立ち上げたきっかけは、「地域で子どもを支援する資源がないのなら自分たちがやろうじゃないか!」というメッセージを私が授業で投げて、それに共感してくれた熱い気持ちを持った学生たちが集まってくれたことでした。

日本にいる子どもたちが、住んでいる場所で受けられる支援が異なるというのは、子どもたちの問題ではなく、大人側の問題だと思います。行政がどう用意するかという問題もありますが、地域の人たちの力を集めることで支援ができる部分もあると考えています。屋久島でも、そうした地域の支援の輪が広がることを願っています。屋久島の森は、島の狭い部分に多様な種の命が宿ってそれが共生しているところが世界遺産になった理由と聞いています。人の共生に関しても、「世界遺産」のような場所になる可能性も秘めているのでは・・と思いました。

いろいろと細やかに準備してくださったPTA役員の皆様、先生方、そして平日にもかかわらずお集まりいただいた屋久島の皆様、本当にありがとうございました。

附属中学校でのPTA講演

10月27日に静岡大学教育学部附属島田中学校の保護者の皆様にお話をさせて頂きました。PTA役員の皆様にいろいろと心配りをしていただき、本当にありがとうございました。

昨年くらいから、「こころ」という抽象的な概念を、どう「五感」で感じ取ってもらうか、ということを私の課題にしています。「こころ」の様々な状態を、「触覚」「視覚」「聴覚」で表現すること・・・。特に今は触覚を大切にして、いろいろな教材を使って試行錯誤をしている状況です。今回お引き受けした講演のタイトルは、「思春期の子どもへのかかわり方」についてです。そこで、この教材を使ってみることにしました。この教材による授業は、普段は大学の授業や、子どもたちを対象とした授業で行っています。今回、保護者の方を対象としたのは初めて・・・。どんな発言が出るのか、とても楽しみにしていました。講演後にお話を伺うと、参加された方それぞれがいろいろと思うところがあったようです。この授業を受けた学生曰く、「いろいろなことを考える。自分をめちゃくちゃ振り返る」「こんな大学の授業は初めて。とても新鮮」とかいろいろな感想がでます。

たまたまですが、フルブライト基金でアメリカからいらした先生2名も、島田中の先生の同時通訳を聞きながら参加してくださいました。ありがたいことに、その先生が「この授業をアメリカでもやってみたい!」ということで、紙風船を帰国する前に買って行きたいと言っていたとのことでした。世界でも使える授業ということでとてもうれしかったです。国を選ばず、人であることに共通した思春期の課題・・・。「五感」を研ぎ澄まし、「こころ」をどう感じてもらうか、これからも研鑽していきたいと思います。

静岡総合研究機構の助成金

先日、静岡総合研究機構の静岡県SOE助成金の採択を頂けたとの連絡がありました。本当にありがたいことです。採択された研究テーマは、「保護者・子どもを対象とした”災害発生後のストレス”による心身の変化に対処するための啓発プログラムの検討」です。今年から2年間かけて行います。

静岡県は東海地震の震源地ということもあり、もしもの日が来た時に、多くの方に役立ててもらうためにしっかりと研究、実践を行っていきます。経過報告もこのブログでお伝えしていこうと思っています。