スクールカウンセラーとして学校現場に入るようになって今年で10年目。
1年目の時に比べれば少しできるようになったところもあるけれど、「まだまだ自分は力不足だな・・・」と感じさせられる子どもたちとの出会いが次から次へとあり、それが大変でもあり、そしてこの仕事を続けていっている楽しさでもある。
10年の間、教育委員会などが行うSC研修、そして臨床心理士会が行っている研修など、多くの研修に参加してきた。ただ・・・私はその内容自体をもう見直すべきであると考えている。
私がこれまでに体験してきた研修は、講演を聞いて、教育委員会の説明があって、そしてSC同士グループワークをやって、それぞれの活動を報告して、どんな意見が出てきたか全体でまとめるといったグループワークをやって・・・という内容がほとんどだった。
最近では少し変化してきているが、数年前はこうしたグループワークをやると、「先生方が子どもの情報をくれない」という意見に代表されるように、「学校がSCを活用してくれない」という意見が多かったように思う。SCが機能できない学校の問題は、学校だけの問題ではない。確かに前任SCが学校でトラブルを起こして、そのマイナスからスタートしているケースも増えている。学校だけが変わればいい問題なのだろうか。物事の解決は双方から考える必要がある。とすれば、「学校に信頼されるSCとはどのようなSCか」「どのような動き、関わりをすれば、学校に活用されるSCになるのか」という、SC自身の在り方にも多くの課題があると考える。
コンサルテーションはSCの相談業務の中で非常に重要な活動である。しかし、なぜSC研修などで、そこらへんが十分に研修されないのか、そしてどうあるべきかが議論されないのかと思う。
SC研修は体系的になされるべきで、2,3年かけてこうした力量がついた「SC像」というビジョンのもとに研修が組まれる必要があると考えている(すでにそうした研修スタイルを実施しているところもあるそうだが・・・)。その中に、コンサルテーションや危機介入などが含まれる。だけれども、単年度のいきあたりばったり的な研修が多いと思うのは私だけだろうか。グループワークをやること自体はいいのだが、「お互い大変だよね」というピアサポート的な時間に終わるのなら、別の機会にやればいいと思う。
私の研究では、教師のコンサルテーションに関する評価はシビアであった。SCの活動はコンサルテーションだけではないが、スクールソーシャルワーカーが今年度から導入され、SCを囲む状況は年々変わりつつある。SCはこのままでいいのか・・・と思う。我々SCはどのように力量を高め、子どもたちや教師、保護者のよりよい支援者になれるのか、もう少し厳しく自分たちの仕事の在り方を見つめなおさなければいけないだろう。それには研修の在り方についてもっと議論される必要があると思う。
コンサルテーションって大事ですよね。ホントに。なかなかその辺が、臨床心理士も認識していないような気がします。
でも、私が調べた限りでは、先生方からのコンサルテーションの評価は高かったんですよ。きちんと学校や先生方の役に立っているということをきちんと多くに人に知ってもらいたいと思っています。
>半田先生
コンサルテーションの研究が学校心理学会で発表されるようですね。聞きたかった~(泣)。私の方の研究でも、コンサルタントよりはコンサルティの方が評価は高かったです。ただ、コンサルティの職種では評価に有意な差がありました。担任の先生の評価が低かったのです。半田先生のデータではコンサルティの職種ごとで見ていますか?もし見ていたらどうなったか教えて下さい。尺度の因子もどのようになったのか気になります。