2010年度から静岡県養護教諭研究会と一緒に、災害時の養護教諭の動きに関するハンドブックの作成を行ってきました。東海地震に備えて、東日本大震災の前から動いていました。
ハンドブックの作成委員会になった県内の各ブロックから選出された養護教諭の先生方と、時に朝から晩まで缶詰になって、「養護教諭のための災害対策・支援ハンドブック」の執筆と編集作業を進めてきました。
各先生方のがんばりもあって、なかなかの出来上がりです。
内容は、救護、衛生管理、健康管理、心のケアなど、災害時に養護教諭が関わるであろう内容について、時期に分けて解説してあります。
時期は、災害が起こる前、発生1週間、1週間から1ヶ月、1ヶ月から3ヶ月、3ヶ月から6ヶ月とに分けてあります。
東日本大震災の最新知見も取り入れるようにして、放射性物質に関する保健だよりなども入れたり、兵庫教育大学大学院の冨永先生にもアドバイスを頂き、岩手県での心のケアに関する情報なども入れてあります。
とにかく、災害時に読まれることを想定して、「簡潔に、わかりやすく」をモットーに、項目を箇条書きで書き、実行すればそれをチェックしていけるようになっています。
また、様々な資料を巻末に入れてあります。例えば、災害後の「保健だより」の例をいくつか作ってあり、極端なことを言えば、学校名と日付を入れればそのまま出せるというものです。衛生用品の作り方や、救護時に使う情報カードなどもあります。
こうした資料の一部は、付録?のCDに入っていますので、それをもとに資料を作成することも可能です。
災害時の養護教諭の先生方の仕事の量は半端ありません。中越地震4年後の教師のPTSDに関する調査結果から、養護教諭の先生が最もIES-R得点が高かったことがわかっています。(小林朋子(2010)新潟県中越地震5年後の小中学校教師の外傷性ストレス,日本トラウマティックストレス学会抄録集,P96)
そのため、養護教諭の先生方が、
「何をすればいいのか」がわかり、少しでも(いい意味で)楽できるようにとの思いで作成しました。
実は昨年12月に完成したのですが、あっという間に完売し、第二弾の印刷が2月にあがってきました。
静岡県学校保健会が、静岡県内の学校用として1冊配付してくださることになりました(静岡県内の義務教育 小中学校、県立高等学校、特別支援学校、静岡県学校保健会加入の私立 小中高等学校に配付されます)
近日中に、静岡県養護教諭研究会のHPからも注文できるようになるとのことですので、興味のある方はぜひ手に取ってみて下さい。
静岡県養護教諭研究会
http://s-tachibana.sakura.ne.jp/