いよいよ被災地へ

重慶の西南大学での研修を終えて、先ほど成都に着きました。

研修では、支援者のケアとカウンセリング演習などを主に担当させてもらいました。中国の人たちにとても好評だったようで、とてもほっとしました。今回は、支援に当たっている人たちがとても疲れていることが印象的でした。もうすぐ2か月・・・。疲れるのも当然です。これから10年以上のケア活動があることを考えると、中国の支援者の皆さんが無理をせず支援を続けられるよう、私たち日本の仲間が何かできないかと思いました。そして、東海地震のことを考えると他人事ではありません。

西南大学のスタッフ、重慶周辺の支援者、学生たち・・・すっかり仲良くなりました(笑)。東海地震が起きたら、彼らは中国から助けに来てくれるような気がしています。あと、二次派遣のメンバーとも昨日、全員合流しました。冨永先生、高橋先生、吉先生と久しぶりの再会で、ちょっと気が抜けました(笑)。こんな風に海外での支援活動を行うと、本当に「仲間」だなと思えます。こうした活動に参加させてもらい、一生ものの仲間を得られらことに感謝だなと思っています。

研修を終えてからの6時間のバス移動・・・被害者支援は本当に体力勝負・・・。

ただいま、2:57・・・・明日は、7:30には集合・・・

午後からは2つに分かれて、私は綿竹に入ります。

ここは学校をはじめ多くの建物が全壊した地域です。がんばってきます。

再び、四川へ

再び、四川に行ってきます。

以下、第二次派遣の概要です。

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中国四川大震災心のケアチームの第2次派遣について

日本心理臨床学会・理事長 鶴光代/日本臨床心理士会・会長 村瀬嘉代子

                                              日本心理臨床学会(会員数20,148)は、西南大学心理学院(重慶)の要請を受けて、中国四川大地震によって被災した人たちへの心のケア(心理援助)に携わる心理専門職者・学生ボランティアに対して、災害が多い日本の心理援助に関する専門的知識を伝達するため、臨床心理士4名を5月26日から1週間、重慶、成都、徳陽に派遣しました(第一次派遣)。その結果、心理援助のニーズは高く、中国の心理専門職者・学生ボランティアへ、さらに専門的知識を提供する必要があると判断し、臨床心理士9名と通訳学生2名を派遣することを決定しました(第2次派遣)。期間は、71日~78日の間で、北京グループ(5名)と重慶・西南大学グループ(6名)が前半それぞれに活動し、成都にて合流し、後半は、被災地での心理援助のあり方を助言・交流する予定です。

なお、今回の派遣は、中国心理学会と中国西南大学(重慶)の要請によるものです。これを受けまして日本心理臨床学会と日本臨床心理士会は、民間支援の形で災害ストレスケアの専門家を中国に送り、先方の心理専門家に対処法を伝達することに致しました

1,チーム名:中国四川大地震心のケアチーム日本

2,派遣メンバー ◎第二次派遣総括リーダー  ○班リーダー

冨永良喜(兵庫教育大学大学院・教授)

高橋 哲(芦屋心理生活研究所・所長)

吉 沅洪(広島市立大学・准教授)

矢島郁代(新潟県柏崎市元気館)

高橋光恵(兵庫県スクールカウンセラー)

○小澤康司(立正大学・准教授)

  小林朋子(静岡大学・准教授)

  岡嵜順子(予防医学心理学研究室代表)

  織田島純子(新潟県スクールカウンセラー)

  黄 正国:広島大学教育学部学生(通訳)

  張 磊:東京大学教育学研究科博士後期課程学生(通訳)

派遣期間:7/1~8日

3,活動予定

1)北京にて、心理専門職者に、阪神淡路大震災・新潟中越地震などでの心のケアの理論と実践方法について、伝達する.

2)西南大学(重慶)にて、心理専門職者・学生に、避難所での心理援助の実際や災害後のカウンセリング実習など、実践的研修を行う。

)中国心理学会、西南大学がサポートしている被災地を訪問し、助言交流する。

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私は、前半は第一次派遣でお世話になった重慶にある西南大学で研修を担当させていただきます。その後、冨永先生たちの北京チームと合流して、成都に向かいます。その後、後半は高橋先生をはじめ4名で、綿竹に入り、避難所を中心に活動する予定です。綿竹は、学校など多くの建物が倒壊し、多くの方が亡くなったところです。そして、今でも多くの方が避難生活をしています。

現在の気温・・・重慶は35度、成都は33度・・・非常に暑いようです。この中で避難生活を送っている多くの被災者の方たちのことを思うと・・・。

心静かに・・・

そして、スーパーヴァイザーから頂いたことば・・・

[身の丈の無力感を抱えながら、そこに身も心もしっかり自分らしく居ること」

これを胸に活動してきます。

また帰ってきたらブログでご報告します。

難しさ

今日、県防災センターで心のケアに関して講演させていただいた。四川での支援経験、そしてこれまでの研究成果を基に静岡県に東海地震が発生した際の、心のケアに関する課題についていくつか述べさせていただいた。

静岡県はとても広い県であるが、それをカバーできる臨床心理士の数は少なく、かつ災害時の心のケアに関する力量に関しては課題が多いと感じている。それは、自分自身が四川に行き、中越地震の支援経験だけでは不十分であることを心の底から実感したためでもある。「具体的に何をすればいいのか」が、「わかっている」と言えるレベルではなかったと感じたからだ。被災地での支援経験が多少あっても無力感を感じるのに、全く何も知らない状況で地震を迎えた時に多くのカウンセラーは強烈な不安と無力感を感じると思う。いつ起こるかわからない東海地震に向けて、様々な場所で冨永先生、高橋先生、そして中国の人たちの体験から教えていただいたことを、この静岡に還元していかなければいけないと強く思っている。それらをどう進めていけばよいのか…難しい・・・。

さらに別の点から・・・最近、マスコミの取材を受けることがとても増えた。今日の講演でもTV取材を受けた。夕方のニュースで報道されたようだが(ネットでチェックしただけ)、私は講演で「養護教諭、いわゆる保健室(ほけんしつ)の先生が心のケアでは重要な役割を・・」とお話ししたのだが、ニュースでは「保健師の・・・」となっていた。記者さん・・・「保健室」を「保健師(つ)」を聞き間違えたみたいだった・・・(泣)。先日は、「第一次派遣では、現地の大学生ボランティアに対して指導助言をした」と記者会見でお話ししたのだが、「静大チームが現地に行った」と静大が学生を引き連れて中国に行ったと報道していたとのことだった。そのニュースを見た学生がびっくりしてMAILをくれた。その学生は記者会見の時に同席していたので、「なぜあの記者会見での先生の発言が、あのようにとられるかが不思議」と話していた。

難しい・・・

帰ってきました

中国・四川大地震の心のケアチームのメンバーとして派遣され、無事に日本に戻ってきました。活動は主に重慶にある西南大学で心のケアにあたる中国の支援者に対する研修、西南大学の教員そして学生ボランティアに対してのスーパーヴィジョンをしてきました。

メディアにも取り上げていただきました。

朝日新聞 http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200806010007.html

日本経済新聞 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080602AT1G3101402062008.html

http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news000244.html

神戸新聞 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001076752.shtml

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001103387.shtml

急ですが、6月7日(土)に都内でこの活動の報告会をやることになりました。

心理臨床学会HP http://www.ajcp.info/

関心のある方はぜひ聞きに来て下さい。

精一杯やれることを

中国に行ってきます。

詳細は、日本心理臨床学会公式HP http://www.ajcp.info/index.htm

この準備にあたって、がじゅまるクラブでお世話になったSさんには保健所に問い合わせて、短い時間の間に最低限必要な薬やワクチンを調達していただいたり多大なるご協力を頂きました(Sさんお忙しい中、本当にありがとうございました!!)。それと、コバ研の太田先生と望月さんからは現地で子どもたちと遊ぶためのおもちゃや道具を頂きました。

被災した方々のために、自分ができることを精一杯やってこようと思っています。

それでは、行ってきます。

静岡大学公開講座

8月に静岡大学公開講座として以下の講座を担当することになりました。

リスクマネージメントもご専門の村越先生が、教育活動に伴うリスクの実態とそれをどう低減するかという点についてお話します。

その後、私は災害、そして事件事故など学校において危機的な状況が発生してしまった場合の子どもたちの心のケアについてお話しさせていただきます。
最後に村越先生と小林が入り、参加者も交えてトークをしようかと話をしています。

つきましては、こうした学校危機の対応に興味のある教育関係者の方の参加をお待ちしております。定員が30名となっておりますので、なるべく早く教育学部実践センターまでお申し込み下さい。

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講座名:学校での危機管理:リスクマネージメントから心のケアまで

日時:8月19日(火)9:00~17:00

場所:静岡市産学交流センター(B-nest)→新静岡の近くです

目的:本講座では、現代の学校運営の中で重要な課題となっている教育現場での危機についてのリスクマネージメントを扱う。とりわけ教育活動に内在する危険をどうコントロールしそのリスクを減らすかと、不幸にして事故・事件が発生した後の心のケアを中心に演習等を交えて行う。

講師:村越真(静岡大学教育学部・教授) 小林朋子(静岡大学教育学部・准教授・臨床心理士)

定員:30名

受講費:1,800円(資料代含む)

申込方法: 以下の申込書をダウンロードして教育実践総合センター事務室までFAX(054-238-1071)、もしくは実践センターHP(http: //certd.ed.shizuoka.ac.jp:8080/certd)にあるメールアドレスよりお申し込み下さい。

申込フォーム→

「moushikomi.doc」をダウンロード

お願い

現在、実践センターのサーバーの調子がかなり不安定な状況になっており、メールの送受信がうまくいっていません。そこで、私にMAILを送っていただき、1週間近く経っても私から返事がない場合は、お手数をおかけ致しますが再度送信していただくか、FAX(054-238-4703)にご連絡ください。

どうぞよろしくお願いいたします。

春爛漫

静大は桜が満開です。080402_1431

B棟脇の桜並木がお気に入りです。小ぶりですが、手前に見えるしだれ桜もなかなかきれいです。ひらひらと花びらが散っていて、とてもきれい・・・。コバ研恒例の新歓花見は今年は間に合いそうもありません(泣)。

来週からはいよいよガイダンス、授業がスタートです。

旅立ち

卒業式が終わったにもかかわらず、先週末にコバ研の追コンをやりました。OBの尾崎先生、石川先生、上田さんもかけつけてくれました。コバ研を旅立って行くのは、櫻田さん、清野さん、八木くんです。とても元気なメンバーで、いつもコバ研の雰囲気を作っていました。ゼミに入ってから2年間、本当にいろいろな思い出があったメンバーです。泣いたり、笑ったり、叱られたりといろいろありました。卒業生の旅立ちを見送りながらも寂しさでいっぱいです・・(笑)。今は、社会でのこれからの活躍を心から願う気持ちでいっぱいです。

コバ研のコンパはお店ではなくて、大学で料理を作って飲むことが恒例です。今年の卒業生3人とはお店で飲んだ回数は2年間で数回しかありません(笑)。それはなぜかというと、この3人がコバ研に入った時の新歓から、あるプロジェクトが立ち上がったからなのです。そのプロジェクトとは、「全国47都道府県の酒を飲むぞ!プロジェクト」です。このプロジェクトには重要な狙いがあります。それは日本では「一緒にお酒をくみかわす」ということは文化的にも非常に重要なスキルであると思います(飲まなくてもその席にいるだけで)。新しい方と出会った時に、その方の出身地の話をすることがありませんか。その時にこの体験が役に立つのでは・・・ということから始まりました(一応)。なので、このプロジェクトのルールは、①お酒はその土地に行って買ってくるべし(お取り寄せ禁止)、②購入者が必ず入ってみんなで飲むべし、というものでした。なので、47都道府県にコバ研メンバーが足を運び、その土地のお酒を買ってきました。その主力となったのが清野さんでした。清野さんはこの3月で卒業なので、なんとしてもプロジェクトを完成すべくみんなでがんばって飲み続けました。そしてその卒業に合わせて、なんと47都道府県すべての酒をコンプリートしました!(笑)。47番目はもちろん静岡県。私が好きな「磯自慢」の純米大吟醸を飲みました。まさか2年間でコンプリートできるとは・・・(笑)。コバ研のパワーを表しているような感じです(笑)。

いろいろな点で区切りがついた2007年度。明日から2008年度がスタートです。新メンバーがコバ研に入ってきます。2008年はすでにSST・VLFを年間で実施することも決まっています。いろいろ忙しくなる2008年度のコバ研です。Cimg0802

←OBも集まってくれましたCimg0815

←学位取得をお祝いしてもらいました(*^_^*)Cimg0842

←クリアする度に塗りつぶしていった白地図。やはり日本酒がダントツで多かった・・・。

学位記授与式

今日は、筑波大学より博士(教育学)を頂けることになったので学位記授与式に出席してきました。論文博士として、学位論文「子ども支援のための教師へのコンサルテーションに関する研究-効果的なコンサルテーションスキルの観点から-」を、筑波大学の先生方に審査していただき、晴れて博士号を頂けることになりました。学位記授与式にはコバ研を巣立って、現在筑波大大学院にいる上田さんも駆けつけてくれて、私をイメージしたというオレンジ色のお花のブーケをプレゼントしてくれました。コバ研OBにも祝ってもらって、とてもとてもうれしかったです(泣)。080325_1310 080325_1924

学位論文の内容は、スクールカウンセラー(SC)・相談員や特別支援の巡回相談などの立場の人(コンサルタント)が、子どもに日常関わる担任の先生(コンサルティ)などを支援する「コンサルテーション」に焦点をあてています。支援を提供する側のコンサルタントが、支援を受ける側である担任の先生にどのように支援したらよいかについて、コンサルテーションの各ステップごとに明らかにしました。この学位論文のデータの中で、まだ学会誌に投稿していないデータは順次、論文投稿していきます。また、一般書としての出版も計画している段階です。私が大切にしている「研究成果を現場に還元し、役立てる」を来年度は丁寧にやっていこうと考えています。またコンサルテーションに興味のある人たちで研究会や学会でのシンポジウムが企画も考えているところです(このブログを読んで、コンサルテーションに興味のある(持った)方は、私までご連絡くださるととてもうれしいです)。

今年度は仕事をしながらの学位論文の最終執筆に取りかかっていたので、とってもきつかった1年でした。大学の方も教員スタッフが休職等で少なかったため、静大に移ってから一番多い授業数になり、かつ大学運営上の細々した仕事をこなしました。テーマに関連しているSCはどうしても辞めたくなかったので、がんばって両立させていきました。そんなこともあって執筆にかける時間をどう捻出するかが大変で、今年度は(も?!)コバ研の学生スタッフにはずいぶんと迷惑をかけてしまったと、とても反省しています。本当にいろいろな方々の支援、協力のお陰で無事に博士号を取得することができました。ブログ上からではありますが、この場をお借りして心より御礼申し上げます。

そして、これまで同様に、学校現場の子どもたちの支援に結びつく研究、そして実践を進めていきます。